はじめに
第一章 ポジショナリティの射程
1 ポジショナリティをめぐる齟齬と係争
2 ポジショナリティが焦点化する領域
3 ポジショナリティの事実性
4 ポジショナリティと価値自由
5 ポジショナリティの位置づけ
第二章 ポジショナリティの系譜(1)──ジェンダーを基点として
1 ポジショナリティ論の系譜(1)──ジェンダーとインターセクショナリティ
2 インターセクショナリティ文脈の日本での受容と展開
3 ポジショナリティ論の系譜(2)──インターセクショナリティと責任
第三章 ポジショナリティの系譜(2)──集団責任を基点として
1 ポジショナリティ論の系譜(3)──集団責任論
2 集団責任系譜の日本での展開(1)──利益の定位
3 集団責任系譜の日本での展開(2)──様態と行為の区分
4 集団責任系譜の日本での展開(3)──相互理解への希望
5 具体理論/具体分析としてのポジショナリティ論
第四章 ポジショナリティの認識構造
1 権力露現関係とポジショナリティの定位
2 ポジショナリティの被投性
3 存在様態と行為の混同
4 ポジショナリティと認識文脈
第五章 ポジショナリティと集団の責任
1 ポジショナリティで問題となる集団
2 帰属集団と闘争集団
3 集団の差異化と包摂、およびその動的側面
4 ポジショナリティにかかわる責任(1)──責任の存在様態
5 ポジショナリティにかかわる責任(2)──受益責任
6 ポジショナリティにかかわる責任(3)──当事者責任
第六章 ポジショナリティにかかわる解消責任
1 解消責任と解消行為
2 責任倫理と解消責任──“決断主義”への批判をめぐって
3 外在的期待要求再論
4 解消責任の個人における様態と解消行為への期待
第六章付論(1) ポジショナリティをめぐる方法論的個人主義と方法論的集合主義
第六章付論(2) 道徳概念についての覚書
第七章 ポジショナリティと「心性としての植民地主義」
1 植民地主義と現在──コロニアリズムに滲むポジショナリティ
2 心性としての植民地主義
3 対等と寛容さ
4 小 括
第八章 ポジショナリティへの攪乱手法
はじめに──問題の設定
1 権力露現関係そのものの否定──“区別”へのすりかえ
2 権力露現関係の文脈に対する攪乱
3 権力露現関係の構造に対する攪乱
4 権力露現関係を相対化する行為
5 小 括
第九章 ポジショナリティと対話の諸条件
1 北恩加島の事例
2 基地引き取りと日本への性暴力“移転”をめぐる言説
第一〇章 ポジショナリティと〈取引請負人〉
1 抑圧を否定する被抑圧者
2 アンクル・トムと〈取引請負人〉
3 〈取引請負人〉
4 取引における交換と権力形成機序
第一一章 ポジショナリティにおける〈取引請負人〉をめぐる諸問題
1 非自発的な〈取引請負人〉
2 自発的な〈取引請負人〉
3 〈取引請負人〉の分岐と共通点
4 〈取引請負人〉を抑圧者が検討するという「問題」
5 〈取引請負人〉への態度についての個人的見解
第一二章 ポジショナリティと被投性
1 ポジショナリティの語られ方
2 ポジショナリティと被投性(Geworfenheit/Thrownness)
3 ポジショナリティと限界状況(Grenzsituation)
4 被投性の回避・忘却
5 存在様態の転換
第一三章 ポジショナリティの意義と課題
1 ポジショナリティ検討の意義
2 ポジショナリティ検討の課題
3 経験的概念としてのポジショナリティと規範分析の接合
4 結 語
おわりに
参照文献一覧
人名索引
事項索引