はじめに[林雄亮・石川由香里]
第Ⅰ部 若者の性行動・性意識
第1章 若者の性行動・性意識の実態と課題――「青少年の性行動全国調査」研究の新展開へ向けて[林雄亮]
1 若者の性行動・性意識の趨勢と現状
2 「青少年の性行動全国調査」研究の貢献と課題
3 青少年層の性行動の不活発化と未婚化・晩婚化の関係
4 学校と家庭における性教育の実態
5 おわりに
第2章 若者の性と性別役割分業意識――就労後の影響・学校性教育の影響[石川由香里]
1 日本社会における性別役割分業意識の実態とその意識形成
2 若者の性と性別役割分業意識の関連についての仮説
3 性別役割分業意識の変化についてのパネル調査を用いた先行研究
4 JLPSデータにおける性別役割分業意識
5 JLPSデータの分析結果
6 学校性教育と性別役割分業意識の関連
7 何が性別役割分業意識の形成に影響を与えているのか
第3章 性にかんする経験やイメージと家庭環境のかかわり[苫米地なつ帆・俣野美咲]
1 家庭環境と青少年の性行動のかかわり
2 家庭環境は青少年の性経験や性イメージにいかなる影響を与えるか
3 青少年の家庭環境と性にかんする経験の関連
4 青少年の家庭環境と性イメージの関連
5 家庭環境によって異なる性経験・性イメージの実態
第4章 デートDV被害の構造――被害経験の分類、友人関係や性教育との関連[古村健太郎]
1 若者の恋愛経験とデートDV
2 デートDV 被害の構造
3 デートDVのエスカレート
4 「青少年の性行動全国調査」を用いたデートDV被害の構造の検討
5 デートDV被害の構造と関連する要因の検討
6 デートDVの予防に向けて
第5章 若年層の性的マイノリティに対する抵抗感――社会的属性・意識・経験との関連に着目して[釜野さおり]
1 はじめに
2 性的マイノリティについての意識を扱う調査研究
3 「性的マイノリティについての意識:2019年全国調査」を用いた性的マイノリティに対する抵抗感の分析
4 社会的属性、経験、意識と友人が性的マイノリティだった場合の抵抗感との関連
5 おわりに
第Ⅱ部 学校での性教育
第6章 学校における「性教育」内容の変遷――学習指導要領と同解説の整理から[茂木輝順]
1 はじめに
2 性教育に関連する各事項の初出学年と教科等
3 各世代内の生まれた年度別の整理
4 おわりに――第8世代からみる学校性教育の現在地と今後の課題
第7章 学校で包括的性教育を行う必要性とその課題――NPO団体に対する学校性教育についてのインタビュー調査から[土田陽子・キムハリム]
1 問題関心と課題設定
2 インタビュー調査の対象と方法
3 なぜ包括的性教育が必要なのか――活動を始めたきっかけ
4 Y団体とZ団体の包括的性教育実践
5 なにが包括的性教育のハードルになっているのか
6 おわりに――まとめと今後の課題
第Ⅲ部 若者の性の変容
第8章 1990年代におけるメディアと少女たちの性行動[片瀬一男]
1 若者にとっての1990年代――「失われた時代」の始まり
2 90年代のメディア・コミュニケーションと性行動
3 90年代の性規範と性行動――「援助交際」をめぐって
4 性的逸脱行動を規定する社会的要因
5 自己決定と性教育の間――青少年の性の自己決定言説
6 ミレニアムを越えて
第9章 出会い文化の変遷――マッチングアプリの利用にいたる途[羽渕一代]
1 はじめに
2 マッチングアプリと出会い文化
3 マッチングサイト(アプリ)というメディア
4 まとめ
第10章 性と子どもの近代史――タブー視と寛容さの併存の系譜[元森絵里子]
1 はじめに――子どもと性という問題の系譜を探る
2 1880――性の二重基準と年少者の分類の成立
3 1900――近代日本の性システムと子ども規範の作動
4 1920――性教育・優生学・児童保護
5 1950――年少者の一元化と性の一律排除
6 子どもの性の戦後体制へ――年少者の多様性の忘却と多様性の黙認
おわりに[加藤秀一]
索 引
編者・執筆者略歴