はしがき――高校就職指導を通じて日本の学校から職業への移行を考える
序章 高校から職業への移行研究の背景
1 はじめに
2 90年代初頭までの高卒就職の状況と制度的枠組みの意義
3 2000年代半ば以降の高卒労働市場の変化
4 高卒就職の現状
第1章 先行研究の検討──高校から職業への移行研究
1 移行研究の特徴と「移行」概念の整理
2 高校から職業への移行に関する教育社会学的研究
3 企業サイドからみた高校から職業への移行研究──「実績関係」への疑問
4 高卒者の地域移動(県外就職)の現状
5 先行研究から見出される課題
第2章 先行研究の課題に挑む
1 本書の検討課題──労働市場変数の導入
2 高校就職指導の定義
3 研究の方法
第3章 2000年代の高校就職指導類型──「学校に委ねられた職業選抜」の現在
1 現場における高校就職指導の変化
2 就職指導類型の分類
3 小さくなる「80年代型」就職指導
第4章 高校就職指導の実態──インタビュー調査から
1 事例の位置づけ
2 4つの高校就職指導類型の実態
3 高校就職指導類型の布置
第5章 80年代の高校就職指導を再考する
1 「学校に委ねられた職業選抜」の課題
2 通説を再検討する
3 メリトクラティックな世界の範囲を測る
4 高校就職指導の全体像における「学校に委ねられた職業選抜」の位置
第6章 地方における高卒者の移行過程──北海道・長野・東京の比較から
1 高卒労働市場類型における位置づけ
2 調査の方法
3 各地域の状況
4 高卒労働市場類型にみる若者の移行過程
5 学科の効果
6 大都市モデルの特徴と限界
第7章 高卒就職における地域移動の現状──青森県と高知県を事例として
1 高卒者の地域移動の推移
2 需要不足地域での地域移動──青森県と高知県に焦点をあてて
3 高校単位でみる県外就職率の分布
4 事例の検討──高知B工業と青森B工業の比較
5 地域移動に対する高校就職指導方針
6 生まれ育った地域という属性に影響される地域移動
終章 本書の知見の整理と示唆──高校就職指導を手がかりに
1 知見の要約
2 本書の示唆
3 残された課題
引用文献一覧
資料編
あとがき
索引