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日本国憲法と共に生きる

「真理と平和」を求めて

著:杉原 泰雄

紙版

内容紹介

少国民教育の中で育ち、終戦を15歳で迎えた著者。神権天皇主権原理を底にすえた明治憲法とはまったく異なる、国民主権、立憲主義、基本的人権、民主主義、真理、平和などの価値が盛り込まれた新しい日本国憲法に衝撃を受け、その研究に人生を捧げてきました。日本国憲法の基本的価値を歴史的に踏まえながら、現憲法のどの価値や理念を守っていくべきかを提言します。

目次

はじめに

第1章 「少国民」世代の憲法研究者の考えてきたこと――「真理と平和」を求めて
 一 二つの憲法の下で生活する
 二 明治憲法末期の生活状況と公教育
 三 一九四五年八月一五日――敗戦による明治憲法体制の崩壊
 四 日本国憲法との出会いと憲法学習活動――「真理と平和」を求めて、精神革命の日々
 五 「東西冷戦」(「米ソ冷戦」)のなかで
 六 憲法研究者として――憲法の基本的諸問題との取り組み
 七 積極的な評価に値する日本国憲法――その解説書との取り組み

第2章 「未完の市民革命」と「東西冷戦・日米安保体制」の下でほんろうされる日本の憲法と憲法政治
 一 日本国憲法の制定――現代における未完の市民革命
 二 「東西冷戦」と「日米安保体制」

第3章 日本国憲法下の憲法政治(憲法の解釈運用)の動向
 一 反憲法政治の展開――中曽根政権前までの段階
 二 反憲法政治の強化――中曽根政権以降の段階
 三 小泉政権(二〇〇一年四月―二〇〇六年九月)による反憲法政治の強化とその後の三政権
 四 近時における日本国憲法と国民生活の危機の深化――多重危機の進行

第4章 どう対処するか(その1)――危機の諸要因をふまえた的確な対応を求めて
 一 はじめに
 二 「立憲主義」の再構築を求めて
 三 二つの「立憲主義」の概念
 四 「立憲主義」を破壊するもう一つの要因――憲法の基本用語の悪用・誤用
 五 「解釈改憲」政治の進行と「強権政治」のおそれ

第5章 どう対処するか(その2)――危機の諸要因をふまえた的確な対応を
 一 立憲主義体制とその歩みの特色の再確認を
 二 危機の要因をふまえた的確な対応を求めて
 三 的確な対応を確保するために――憲法学習と民主政治の強化を

おわりに

著者略歴

著:杉原 泰雄
杉原 泰雄(すぎはら やすお) 
1930年, 静岡県に生まれる. 1961年, 一橋大学大学院法学研究科博士課程修了. 現在, 一橋大学名誉教授, 駿河台大学名誉教授. 主著:『第4版 憲法読本』(岩波書店, 2014), 『憲法と公教育』(勁草書房, 2011), 『憲法と資本主義の現在』(勁草書房, 2010), 『新版体系憲法事典』(編集代表, 青林書院, 2008), 『憲法と資本主義』(勁草書房, 2008), 『地方自治の憲法論』[補訂版](勁草書房, 2008), 『憲法と国家論』(有斐閣, 2006), 『憲法の「現在」』(有信堂高文社, 2003), 『憲法を学ぶ 第4版』(共編, 有斐閣, 2001), 『恒久世界平和のために』(共編, 勁草書房, 1998), 『日本国憲法史年表』(編集代表, 勁草書房, 1998), 『憲法の歴史』(岩波書店, 1996), 『憲法問題の見方』(弘文堂, 1995), 『民衆の国家構想』(日本評論社, 1992), 『人権の歴史』(岩波書店, 1992), 『国民主権の史的展開』(岩波書店, 1985)

ISBN:9784326451081
出版社:勁草書房
判型:4-6
ページ数:232ページ
定価:2600円(本体)
発行年月日:2016年07月
発売日:2016年07月25日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:LND