はしがき[田中成明]
第1章 政策的思考と法的思考の特質と相互関係について――公共政策学の法哲学への示唆に関する覚書[田中成明]
はじめに
1 政治・政策・法への視点と思考様式をどのように理解するか
2 実践学における古典的思慮概念の現代的継承の諸相
3 公共的課題への対応とパターナリズム
4 実践学の諸分野と合理性概念の多元化・重層化傾向
むすびに代えて
第2章 法多元主義における法・政治・政策の位置づけ[浅野有紀]
はじめに
1 法多元主義
2 法多元主義におけるリーガリティとインターリーガリティの概念
3 那須論文と佐野論文とから得られる示唆
第3章 政策的思考の二つの理解と法、政治、政策の自立性[濱 真一郎]
1 政策的思考の二つの理解
2 ハート対ドゥオーキン論争――予備的考察
3 法の自立性への注目
4 政策的思考の二つの理解と政治、法、政策の自立性
第4章 那須耕介の「内在/関係論」を読み解く[佐野 亘]
はじめに
1 内在/関係論に対する疑問
2 ステインバーガーと那須の政治的判断論
3 加藤典洋の内在/関係論
4 考察
第5章 一人称複数における法・政策・政治[近藤圭介]
はじめに
1 一人称複数の法理論の構想
2 一人称複数の法理論の意義と課題
3 一人称複数の法理論から見た法・政策・政治
おわりに
第6章 ナッジの内在道徳論への応答[若松良樹]
1 「でも」の続き
2 那須の賢慮論
3 ナッジの性能評価を待ち受ける困難
4 ナッジの内在道徳
5 麗しき幻想
6 学習する知性
7 論争の続き
第7章 政治的思考のなかでの法的思考の役割[亀本 洋]
1 那須論文への違和感
2 法治主義と法の支配
3 法治主義
4 軍事的安全保障研究政策をめぐる法的思考
5 法的思考の強み
第8章 政治的思考・政策的思考と政策デザイン――エビデンスに基づく政策形成(EBPM)のための思考様式[奥田 恒]
1 政策目的と政策デザイン
2 EBPMにおける政策目的とその熟慮
3 政治的思考とサンダーソンのEBPM論
4 EBPMを支える政策的思考
おわりに
第9章 卓越的自由主義[橋本 努]
はじめに
1 ロールズ理論の卓越主義的解釈
2 自尊心の問題
3 中立型と卓越型――二つの自由主義の関係
4 啓発教化型と願望型
5 価値選択型と未知挑戦型――文化政策をめぐって
おわりに――自尊心の代理的性格
第10章 「政策」をどのように捉えるか――法と政治との関係で[服部高宏]
はじめに
1 政策・政策的思考の捉え方をめぐって
2 Politikの三側面
おわりに
第11章 AI裁判官――技術・機能・原理[宇佐美 誠]
1 AI裁判官という主題
2 技術的にどこまで可能か
3 いかなる機能を果たしうるか
4 基本原理に適合するか
5 未来の司法
第12章 法学教育と法哲学、そして法的・政治的・政策的思考[中山竜一]
はじめに
1 那須の法学部教育論
2 法学教育と法哲学をめぐる思想史的断片――大陸ヨーロッパ、イングランド、アメリカ
3 法的思考・政治的思考・政策的思考と法学部教育
第13章 民主主義の病理の克服に向けての立法府及び立法者の役割――「立法学」への誘い[足立幸男]
はじめに
1 立法理学(Legisprudence)と立法学(Legislative Studies)
2 民主主義の近視眼
3 (超)長期的な選好の育成・強化
4 (超)長期的視野に立った政策選択・実施の可能性を高めるための制度デザイン・リデザイン
5 長期的諸問題に対処することへの立法者の意志と能力
那須耕介略歴
那須耕介主要著作目録
編著者・執筆者紹介