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「大国中国」の崩壊

マーシャル・ミッションからアジア冷戦へ

著:松村 史紀

紙版

内容紹介

米国の戦後中国への介入とその対中政策の挫折を、米国政府の公文書・国共両者の関連資料・ソ連の資料に基づいて克明に描き解明する。

目次

「現代中国地域研究叢書」刊行にあたって[天児慧]

序章 「大国中国」の崩壊
 1.2つの経験
 2.研究対象のフォーカス
 3.アジアにおける冷戦の形成
 4.戦後米国と「大国中国」の崩壊
 5.本書の特徴

第1部 米国のアジア・中国政策(1940年代)

第1章 米国の戦後アジア地域秩序構想と中国
 1.2つの構想
 2.第一期:「中国大国化」構想の起源
 3.第二期
 4.第三期
 5.第四期

第2章 米国と「中国の統一」
 1.米国にとっての「中国の統一」
 2.第一期:問題の起源
 3.第二期前半:3つの立場
 4.第二期後半:「中国の統一」をめぐる問題
 5.第三・四期:問題の終焉

第2部 マーシャル・ミッションの展開

第3章 戦後中国とソ連
 1.終戦から内戦へ
 2.平和な国家建設をめざして
 3.中国内戦とソ連

第4章 マーシャル・ミッションの任務決定過程
 1.マーシャル・ミッションの概観
 2.それぞれの「中国の統一」
 3.マーシャルの任務決定
 4.マーシャルと「中国の統一」

第5章 「停戦協定」の成立
 1.「例外」をめぐる問題
 2.3つの「停戦」案
 3.「例外」規定をめぐる論争
 4.「停戦協定」の成立

第6章 連合政府構想の展開
 1.限定的関与
 2.政治交渉への関与
 3.停戦のための調停
 4.調停の早期終了
 5.限定的関与の変容

第7章 東北方針の展開
 1.マーシャルの東北方針
 2.米国の情勢認識
 3.東北方針の変容過程
 4.東北方針の終焉へ

第8章 国共調停の終焉過程
 1.最後の調停
 2.戦場を背景にした交渉
 3.内戦下の政策目標
 4.調停方法の喪失
 5.連合政府構想の瓦解へ

第9章 「中国喪失」をめぐる論争
 1.『中国白書』の発表
 2.マッカーシズムの展開
 3.「中国喪失」をめぐって

終章 マーシャル・ミッションからアジア冷戦へ
 1.戦後米国と「大国中国」の崩壊
 2.戦後米国の中国政策
 3.アジアの戦後史

参考文献
あとがき
人名索引
事項索引

著者略歴

著:松村 史紀
松村 史紀(まつむら ふみのり)
1978年,京都府生まれ。宇都宮大学国際学部専任講師。立命館大学国際関係学部卒,早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了,同研究科博士号(政治学)取得。早稲田大学現代政治経済研究所助手,大阪国際大学国際コミュニケーション学部専任講師を経て,2011年4月より現職。専攻:国際政治学,東アジア国際政治史(米中,中ソ関係)。著書:『冷戦史の再検討:変容する秩序と冷戦の終焉』共著,法政大学出版局,2010年。『二つの「戦後」秩序と中国』共編著,早稲田大学現代中国研究所,2010年。『東アジア地域の立体像と中国』共編著,早稲田大学現代中国研究所,2011年。

ISBN:9784326348923
出版社:勁草書房
判型:A5
ページ数:336ページ
定価:4200円(本体)
発行年月日:2011年12月
発売日:2011年12月21日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JPS