まえがき
序 章
0.1 はじめに
0.2 子どもの自殺と学校の関係を問う視座
0.3 研究主題としての子どもの自殺問題
0.4 本書の基本方針
0.5 本書の構成
補 論――「自殺」の社会学的研究の展開
第1章 戦後日本における子どもの自殺言説の展開
――子どもの自殺はいかに語られてきたのか
1.1 本章の目的
1.2 分析対象とする資料と統計について
1.3 分析の方針
1.4 戦後から1950年代までの子どもの自殺言説の検討
1.5 1960年代における子どもの自殺言説の検討
1.6 1970年代以降の子どもの自殺言説の検討
1.7 本章のまとめ
第2章 子どもの自殺をめぐる司法の論理
――学校の法的責任はいかに問われてきたのか
2.1 本章の目的
2.2 「体罰自殺」事件において「学校の責任」が問われた裁判例
2.3 「いじめ自殺」事件に関する裁判例
2.4 本章のまとめ
第3章 子どもの自殺に対する補償・救済の論理
――子どもの自殺はいかに「学校災害」となったのか
3.1 本章の目的
3.2 災害共済給付制度の概要
3.3 「学校災害」としての子どもの自殺の成立
3.4 「学校災害」としての子どもの自殺の範囲拡大
3.5 争点としての高校生の自殺
3.6 本章のまとめと補足
第4章 子どもの自殺をめぐる事実認定の実践
――自殺の原因を認定する第三者調査委員会の実践に着目して
4.1 本章の目的
4.2 いじめ「重大事態」調査の第三者調査委員会
4.3 いじめと自殺の「因果関係の部分的な認定」
4.4 争点としての自殺の「直接的な原因」
4.5 争点としての自殺の「主な要因」
4.6 本章のまとめ
第5章 「いじめ自殺」事件における過去の再構成
――「自殺の練習」報道の検証を通じて
5.1 本章の目的
5.2 新たな概念としての「自殺の練習」
5.3 「自殺の練習」報道と事件の理解可能性
5.4 「自殺の練習」概念と「過去の不確定性」
5.5 本章のまとめ
第6章 子どもの自殺をめぐる学校の事後対応の問題化
――「リアリティ分離」状況に着目して
6.1 本章の目的
6.2 分析視角と対象とする事例
6.3 学校の事後対応の問題化過程における学校関係者のリアリティ経験
6.4 死因の公表方法に関する認識の不一致とその「解決」
6.5 本章のまとめ
第7章 子どもの自殺に関する新たな概念としての「指導死」
――遺族の語りから見る社会的経験の変容
7.1 本章の目的
7.2 新たな概念と経験の可能性
7.3 インタビュー調査および資料収集の概要
7.4 「指導死」概念と遺族の経験
7.5 本章のまとめ
第8章 〈遺族〉というカテゴリーと経験
――「いじめ自殺」で子を亡くした遺族の語りから
8.1 本章の目的
8.2 「いじめ自殺」事件における「学校の壁」
8.3 〈遺族〉カテゴリーの社会的意味
8.4 〈遺族〉としての経験の共有
8.5 事件はいかに経験されるのか
8.6 本章のまとめ
終 章
9.1 「学校問題」としての子どもの自殺問題
9.2 「他者」としての自殺した子ども
9.3 課題と展望
初出一覧
あとがき
参考文献一覧
人名索引
事項索引