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カタチの由来、データの未来

三次元計測の人類史学

編:中尾 央

紙版

内容紹介

平面情報から立体の三次元情報へ。注目の三次元データはどうやって計測して、どう使う?大事なことは?考古学や人類学の実例に学ぶ。

特に考古学分野で注目される三次元データ。遺物整理に三次元計測が手軽に使えるようになった。従来の二次元実測図とは異なる活用が期待されるとともに、本書では新しいデータベースとするための計測方法やその解析、保存の問題も議論。さらには人類史研究ならではの学際的アプローチで解釈の「基盤」作りに取り組んだ成果を紹介する。

目次

はじめに [中尾 央]

第一章 三次元データを計測する[金田明大・中川朋美・吉田真優・中尾 央]
 1・1 三次元計測機器と手法:非接触3Dスキャナーによる計測
 1・2 三次元計測機器と手法:SfM/MVSによる計測
 1・3 得られたデータの性質
 1・4 三次元計測の今後:従来の手法との比較

第二章 データの公開と共有[田村光平・中尾 央]
 2・1 再現性の危機
 2・2 オープンサイエンス
 2・3 オープンアクセス:成果の公開
 2・4 オープンデータ:データの公開
 2・5 オープンメソッド:解析手法の公開
 2・6 オープンコラボレーション:開かれた協働
 2・7 考古学のオープンサイエンス化
 2・8 三次元データの共有
 2・9 オープンサイエンスと研究(者)の多様性
 2・10 エターナル・ナカオ・ブリザード
 2・11 将来に向けて

第三章 三次元データによる研究:方法[野下浩司・田村光平・中尾 央]
 3・1 なぜデータの取得だけで終わるとダメなのか
 3・2 幾何学的形態測定学の基礎
 3・3 三次元データの解析
 3・4 今後の展開

第四章 三次元データを用いて研究する:具体例[中尾 央・野下浩司・中川朋美・田村光平・金田明大]
 4・1 Rを用いた幾何学的形態測定学(ランドマーク法)
 4・2 古人骨三次元データの数理解析からみえるもの
 4・3 遠賀川式土器の数理解析:楕円フーリエ解析と球面調和関数を用いた研究
 4・4 考古・人類学データの時空間動態を明らかにするということ

第五章 文化の進化パターンとプロセスをつなぐ[田村光平・中尾 央]
 5・1 遺物のかたちから考える
 5・2 遺物の数から考える
 5・3 プロセスモデルの検討
 5・4 パターンとプロセスをつなぐということ

おわりに [中尾 央]

補遺 1・2・3
文献
索引

著者略歴

編:中尾 央
中尾 央(なかお ひさし)
南山大学人文学部准教授。専門は哲学。2013年博士(文学、京都大学)。総合研究大学院大学助教などを経て現職。代表的な論文にViolence in the prehistoric period of Japan: the spatiotemporal pattern of skeletal evidence for violence in the Jomon period(Biology Letters, 12:20160028. 共著,2016 年)、Demic diffusion of the Yayoi people in the Japanese archipelago( Letters on Evolutionary and Behavioral Science,14(2), 58-64. 共著,2023年)など。

ISBN:9784326248544
出版社:勁草書房
判型:4-6
ページ数:208ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2024年02月
発売日:2024年02月13日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NH