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情動の哲学入門

価値・道徳・生きる意味

著:信原 幸弘

紙版

内容紹介

情動はときに誤り、害をもたらす。やはり理性に従って行動すべきなのか。理性的に生きることが幸福な生につながるのか。実はそうではない。情動こそが状況に相応しい行動を生み出すのであり、理性は情動の働きを調整しているというのが本当のところである。情動に着目することで新たな展開を見せる心の哲学の最前線。

目次

はじめに

第Ⅰ部 価値と情動

第1章 立ち現れる価値的世界
 1 価値の身体的感受
 2 情動は価値への態度ではないだろうか
 3 身体の透明化

第2章 価値認識の究極的源泉
 1 価値は事実に付随する
 2 価値判断に情動は不要か
 3 情動の根源性

第3章 葛藤する心
 1 情動の合理性
 2 価値判断の体系性
 3 御しがたい情動

第Ⅱ部 道徳と情動

第4章 悲劇的ディレンマ
 1 正しい行為
 2 後悔と罪悪感
 3 悲しみと罪悪感
 4 意図的行為の可能性

第5章 道徳的修復
 1 どうしようもない悪
 2 赦し
 3 赦しえないもの
 4 それでも人である

第6章 道徳の二人称性
 1 足をどかせる二つのやり方
 2 理由と圧力
 3 二人称理由の権利
 4 反応的情動

第Ⅲ部 生きる意味と情動

第7章 感情労働
 1 感情労働とは何か
 2 隷属性
 3 自己洗練の妨害
 4 脱出の道

第8章 情動価と経験機械
 1 情動価とは何か
 2 奇妙な情動
 3 経験機械の謎を解く

第9章 自己物語
 1 物語とは何か
 2 人生と物語
 3 自己物語の客観性
 4 自己物語のフィクション化

あとがき
参考文献
索引

著者略歴

著:信原 幸弘
信原幸弘(のぶはら ゆきひろ)1954年、兵庫県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科教授。主な著書に『意識の哲学』(岩波書店、2002年)、『シリーズ 心の哲学』全3巻(編著、勁草書房、2004年)、訳書にパトリシア・チャーチランド『脳がつくる倫理―科学と哲学から道徳の起源にせまる』(共訳、化学同人、2013年)がある。

ISBN:9784326154500
出版社:勁草書房
判型:4-6
ページ数:288ページ
定価:2700円(本体)
発行年月日:2017年11月
発売日:2017年11月13日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JMA