恐怖の法則
予防原則を超えて
著:キャス・サンスティーン
監訳:角松 生史
監訳:内野 美穂
内容紹介
人々は恐れるべきでないときに恐れ、恐れるべきときに大胆であったりする。民主制国家において時として「危険に対する人々の狼狽」は集団、都市、ひいては国家に多大な影響を及ぼす。人々の恐怖/不安と法や政策の関係はどのようにあるべきか。熟議民主主義・合意論をリスクや恐怖/不安という現代に欠かせない視点と交錯させ論じる。
目次
謝辞
はじめに
熟議と理論 予防原則と合理性 本書の構成 アプローチと政策
第Ⅰ部 問題編
第1章 予防とその機能不全
予防原則 弱いバージョンと強いバージョン 予防の実際:ヨーロッパの状況の瞥見 備えあって憂いあり?
なぜ予防原則は機能不全に陥るのか
第2章 予防原則の背景
想起可能性ヒューリスティック 確率無視 損失回避性となじみ深さ 慈しみ深き自然(という神話)
システムの無視 ありうべき反論:目標の有益性 予防原則論者の応答:精緻化 より広い視野へ
第3章 最悪のシナリオ
認知 感情 確率無視:基本的現象 安全?安全でない? 閾値と確実性について 簡単な実証
より複雑な実証 その他のエビデンス 確率無視、「競合的合理性」、二重処理
メディアについて、確率無視の不均一性についてのメモ
第4章 野火のように広がる恐怖
スナイパー カスケード 集団極化 メディア、利益集団、そして政治家 事前性向
第Ⅱ部 解決編
第5章 予防原則の再構築と恐怖の管理
カタストロフィ 不可逆的損害:その曖昧さについてのメモ 安全マージン 予防を分析する
恐怖の管理と公開の必要性 恐怖の増幅? テクノクラートとポピュリスト
第6章 費用と便益
費用便益分析の実際:規制機関はどのようなことを行っているのか、それはなぜか
リスクによる相違 人による相違 理論と実践
第7章 民主主義、権利、分配
単純な設例 反論 人口集団間の差異、国際的差異 より難しい設例:分配と厚生
難しい設例を単純な設例と同様に扱う? 地球温暖化
第8章 リバタリアン・パターナリズム(リチャード・セイラーと共著)
貯蓄と選択 選択の合理性 パターナリズムは不可避的か? 政府
選択に対する影響はなぜ避けられないのか? パターナリズムの不可避性
不可避的なパターナリズムを超えて(しかし、未だリバタリアン) 具体例と一般化 普遍化 反論
厚生、選択、そして恐怖
第9章 恐怖と自由
ひどい衡量:単純な説明 さらにひどい衡量:選別的な自由の制限 トレードオフ無視と自由 自由を守る
明確な声明の原則 選別的に自由を否定する場合には特別の審査を
衡量、そしてセカンドオーダーの衡量 恐怖と自由
結論 恐怖と愚行
監訳者あとがき
原注
人名索引
事項索引
ISBN:9784326154357
。出版社:勁草書房
。判型:4-6
。ページ数:388ページ
。定価:3300円(本体)
。発行年月日:2015年02月
。発売日:2015年02月07日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JP。