はじめに[鈴木貴之]
Ⅰ 道具としての人工知能――理論的考察
第1章 人工知能に関する2つの見方――主体としての人工知能と道具としての人工知能[鈴木貴之]
1 道具としての人工知能という目標設定
2 主体としての人工知能の原理的困難
3 道具としての人工知能という見方の意義
4 道具としての人工知能の課題
5 まとめ
第2章 AI対IA――対立の構図に隠された真の主題[柴田崇]
1 はじめに
2 AIとIAの対立図式
3 マルコフの技術論の意義と限界
4 拡張論に内在する誤りとは何か
5 衰退論から見えてくるもの
6 おわりに
第3章 人工知能と現象の理解[今泉允聡]
1 はじめに――深層学習と人工知能
2 深層学習・人工知能と「理解」
3 深層学習を使って物事を理解すること
4 理解の対象としての深層学習
5 おわりに
第4章 深層学習後の科学のあり方を考える[大塚淳]
1 科学における統計学の役割
2 深層学習
3 何のための正当化か?
4 客観性と合理性
5 新しい科学観に向けて
Ⅱ 人工知能を活用する――道具としての可能性
第5章 医療AIの倫理――倫理的な判断をAIが担う、未来の患者・家族・医療従事者関係[中澤栄輔]
1 はじめに
2 医療における倫理的判断をAIが行う可能性
3 医療における倫理的判断と医学的判断の差異と連続性
4 医療における倫理的判断をAIが行うことの倫理性
5 おわりに
第6章 ナッジ&ブーストエージェントによる意思決定支援[小野哲雄]
1 はじめに
2 行動経済学におけるナッジとブースト
3 ナッジ&ブーストエージェントの構想と実装
4 人工知能の時代における課題と展望
5 おわりに
第7章 創造性という知的徳を人工知能から学ぶ[植原亮]
1 はじめに
2 創造性をめぐる哲学
3 AIの創造性
4 AIによる知的徳の涵養に向けて
第8章 人工知能と人間らしさ[立花幸司]
1 問題の所在――人工知能と人間らしさ
2 「人間らしさ」としての徳
3 人工知能を用いた徳の育成
4 人工知能社会と人間の徳
5 おわりに
Ⅲ 設計思想――よりよい道具を設計するために
第9章 設計の観点から見た人工知能[上杉繁]
1 技術の予期しない使用
2 設計と使用の隔たり
3 人間‐技術関係の「型」
4 人間‐AI関係への型の適用
5 おわりに
第10章 人工物の倫理性と人工知能[堀浩一・関口海良]
1 はじめに
2 AIは社会においてどのような役割を担うのがよいか――1つの解としての自己適用
3 倫理的設計を支援する有機的で動的なツール(Dfrome)の開発
4 倫理的設計法の構築
5 研究を通じて得られた知見の例――倫理がもつ創造活動支援効果のメカニズム
6 AIの道徳性を考慮することの可能性や注意点
あとがき
人名索引
事項索引