まえがき
序 章 なぜ日本帝国の森林なのか[中島弘二]
1 「帝国と環境」をめぐる近年の環境史・科学史研究の展開
2 なぜ、日本帝国の森林なのか
3 「帝国林業」、「帝国日本」、「森林保全」
4 本書の構成
コラム イギリス帝国と森林[水野祥子]
第Ⅰ部 帝国林業の全体像
第一章 日本帝国の森林管理――統計資料を用いた数量的な把握から[竹本太郎]
はじめに
第一節 森林管理の歴史――林業史、森林史、林政史
第二節 全体像の把握と課題
第三節 林野面積・所有別面積・保安林面積――内地と各植民地における推移
第四節 用材需要量と用材移出入の推移
おわりに
コラム 林政文庫――農林行政史料アーカイブズ[竹本太郎]
第二章 土地被覆からみた日本帝国[米家泰作]
はじめに
第一節 本国と北海道
第二節 台湾
第三節 樺太
第四節 朝鮮
第五節 満洲
第六節 森林資源の偏在と不均衡のなかで
おわりに
コラム 外邦図にみる土地被覆の姿[米家泰作]
焼畑と近代林学[米家泰作]
第三章 日本帝国における森林と緑化[中島弘二]
はじめに
第一節 近代日本における「新しき問題」としての緑化運動
第二節 日本本土における緑化運動の展開
第三節 植民地朝鮮における緑化運動の展開
おわりに
コラム 国土緑化運動[中島弘二]
第Ⅱ部 日本帝国の植民地・支配地における森林の開発と保護
第四章 北海道・樺太と帝国林業――排除から協力へ[中山大将]
はじめに
第一節 北海道・樺太の林政と開発問題
第二節 北海道・樺太の林業経済
第三節 帝国の森林へ
おわりに
コラム 林業労働者の生活と生涯[中山大将]
第五章 満洲国における帝国林業について[永井リサ]
はじめに
第一節 満洲における林業開発過程
第二節 満洲国の林業行政
第三節 日中合弁鴨緑江採木公司の設立と解散
おわりに
コラム 航空写真による満洲森林調査の地図と報告書[竹本太郎]
第六章 朝鮮における帝国林業と地元住民[竹本太郎・米家泰作]
はじめに
第一節 森林令――林野所有区分の分水嶺
第二節 記念植樹――愛林思想の普及
第三節 砂防事業――荒廃林野の復旧
第四節 火田「整理」と植民地林政
おわりに
コラム 旅行者がみた朝鮮の植生[米家泰作]
第七章 台湾と帝国林業――造林・樟脳・科学的林業[米家泰作・中島弘二]
はじめに
第一節 林政と「科学的林業」の導入
第二節 樟脳開発事業と樟樹造林
第三節 中央高地の開発と把握
おわりに
コラム 林業試験場と植物園[三島美佐子]
第八章 南方森林資源開発と帝国林業[中島弘二]
はじめに
第一節 日本への南洋材の移入と南方林業の展開
第二節 南方の森林資源と帝国のまなざし
おわりに
コラム 材と樹種[三島美佐子]
学名のはなし[三島美佐子]
終 章 日本の「帝国林業」とは何だったのか[中島弘二]
コラム 帝国林学とインド[水野祥子]
あとがき
人名索引
事項索引
執筆者一覧