出版社を探す

人工知能と人間・社会

他編:稲葉 振一郎
他編:大屋 雄裕
他編:久木田 水生

紙版

内容紹介

人間社会へ深く入り込んでくる人工知能。これによってもたらされる大きな変化に対して、どのように向き合えばよいのだろうか?

技術革新に伴って大幅に向上したICTの知性。高度化・普及化の著しい人工知能によって、人間との連携も一層進んでいくものとみられている。人工知能との共存を踏まえ、今後目指される社会像・その基本理念とは? 関連する人文・社会科学系の各学問領域から多角的な分析・検討を試みる。

目次

第1編 AIの見た夢とその後の現実

第1章 AI研究の過去と現在[中川裕志・河島茂生]
 Ⅰ AI研究の歴史的経緯
 Ⅱ AIの思想
 Ⅲ AIに対する社会的眼差しの変化と夢
 付録
 参考文献

第2章 技術革新と人間──AIの受容[渡辺智暁]
 Ⅰ 技術の受容、AIの受容、人間との関係
 Ⅱ AIの生み出す知と人間による受容
 Ⅲ 科学研究における手続きと結果の妥当性
 Ⅳ まとめ

第3章 AIネットワーク社会におけるアーキテクチャと法のデザイン[成原 慧]
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ AIネットワーク社会におけるアーキテクチャのデザイン
 Ⅲ AIネットワーク社会における法のデザイン
 Ⅳ むすびにかえて
 参考文献

第2編 AIの見る夢

第1章 AIと科学研究[呉羽真・久木田水生]
 Ⅰ 序論
 Ⅱ AIベース科学の歴史・現状・展望と意義
 Ⅲ AIベース科学の位置づけ
 Ⅳ AIベース科学と創造性
 Ⅴ AIベース科学の影響:人類科学の疎外?
 Ⅵ 結論
 参考文献

第2章 AIと性愛──AIと人は親密さを築くことができるか[匿名希望]
 Ⅰ 導入
 Ⅱ 親密圏に入り込むAI
 Ⅲ AIが性愛の対象になるとはどのようなことか
 Ⅳ 性愛の対象となるAIのリスク
 Ⅴ AIとの愛は人の愛に劣るのか
 Ⅵ おわりに
 参考文献

第3章 AIと統治[岡本慎平・稲葉振一郎]
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ ロボットは参政権をもちうるか
 Ⅲ 奴隷としてのロボット
 Ⅳ 統治のツールとしてのAI
 Ⅴ AIと道徳的助言
 Ⅵ おわりに
 参考文献

第4章 AIとその道徳的能力──AIによる統治の正当性条件を巡って[安藤 馨]
 Ⅰ 問題を整理する
 Ⅱ 道徳的行為者としてのAIとその責任(テーゼ4を巡って)
 Ⅲ AIに対して負う義務(テーゼ3を巡って)
 Ⅳ 統治に従う義務とその根拠(テーゼ2を巡って)
 Ⅴ 道徳的正答とAI
 Ⅵ 功利主義的なAI統治
 参考文献

第3編 AIを襲う現実

第1章 プロファイリング・理由・人格[大屋雄裕]
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 自己の物語とその限界
 Ⅲ 実存的エゴイズムの可能性
 Ⅳ 判断のプロセスと権威
 Ⅴ 更生の機会と超近代
 Ⅵ 物理的な対抗可能性
 Ⅶ ハイパー・パノプティコンとデジタル・レーニン主義

第2章 AIのガバナンス[江間有沙・城山英明]
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ AIガバナンスをめぐる国際的潮流
 Ⅲ 日本におけるAIガバナンス
 Ⅳ 国内外におけるAIガバナンスの比較
 Ⅴ おわりに
 参考文献

トークライブ 「AI「が」創る倫理 ~SFが幻視するもの~」[稲葉振一郎・飛浩隆・八代嘉美/小山田和仁(司会)]

人名索引
事項索引
編者・執筆者一覧

著者略歴

他編:稲葉 振一郎
稲葉 振一郎(いなば しんいちろう) 
明治学院大学社会学部教授。一橋大学社会学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得満期退学。専門は主に社会哲学。近著に『ナウシカ解読 増補版』(勁草書房、2019年)、『AI時代の労働の哲学』(講談社、2019年)、『銀河帝国は必要か?:ロボットと人類の未来』(筑摩書房、2019年)、『政治の理論』(中央公論新社、2017年)。
他編:大屋 雄裕
大屋 雄裕(おおや たけひろ) 
慶應義塾大学法学部教授。東京大学法学部卒業。同大学院法学政治学研究科助手、名古屋大学大学院法学研究科助教授・教授などを経て現職。専門は法哲学。主な著作として『法解釈の言語哲学:クリプキから根元的規約主義へ』(勁草書房、2006年)、『自由か、さもなくば幸福か?:二一世紀の〈あり得べき社会〉を問う』(筑摩書房、2014年)、『裁判の原点:社会を動かす法学入門』(河出書房新社、2018年)。
他編:久木田 水生
久木田 水生(くきた みなお) 
名古屋大学大学院情報学研究科准教授。京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専門は情報の哲学、技術哲学、ロボット倫理学など。主な著書に『ロボットからの倫理学入門』(共著、名古屋大学出版会、2017年)、主な翻訳書にアンディ・クラーク『生まれながらのサイボーグ:心・テクノロジー・知能の未来』(共訳、春秋社、2015年)、ウェンデル・ウォラック&コリン・アレン『ロボットに倫理を教える』(共訳、名古屋大学出版会、2019年)などがある。

ISBN:9784326102808
出版社:勁草書房
判型:A5
ページ数:388ページ
定価:5000円(本体)
発行年月日:2020年02月
発売日:2020年02月26日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:UB