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知識コモンズとは何か

パブリックドメインからコミュニティ・ガバナンスへ

著:西川 開

紙版

内容紹介

近年、ガバナンスの制度設計の指針として活用される知識コモンズについて解説し、最新の知識コモンズ研究の展開を通時的に論じる。

本書は、コモンズやデータガバナンス、知識共有、オープン化、知的財産権、パブリックドメイン、デジタルアーカイブ、オープンアクセス等をキーワードに、事例を挙げつつ知識コモンズ研究の展開を捉え、その知見がいかに応用されてきたのかを論じる。情報法や情報政策、図書館情報学に関心のある研究者や実務者、学生に最適の一冊。

目次

はしがき

1章  はじめに―知識コモンズ研究をどうみるか―
 1.1 コモンズと知識コモンズ
 1.2 知識コモンズ研究の展開
 1.3 本書のねらいと構成

第Ⅰ部 知識コモンズ研究の展開

2章 知識コモンズ研究の淵源
 2.1 コモンズ研究の出発点
 2.2 コモンズ研究の基本概念
 2.3 オストロムのコモンズ研究
 2.4 小括

3章 知識コモンズ研究の黎明期
 3.1 ニューコモンズ研究
 3.2 オープンコモンズとしての知識コモンズ研究
 3.3 多様化する視点
 3.4 小括

4章  知識コモンズ研究の系統化―IADアプローチ―
 4.1 伝統的コモンズとの合流
 4.2 IADフレームワーク
 4.3 IADアプローチの影響
 4.4 小括

5章  自立する知識コモンズ研究―GKCアプローチ―
 5.1 制度への着目
 5.2 GKCフレームワーク
 5.3 GKCアプローチの動向
 5.4 小括

第Ⅱ部 知識コモンズ研究の応用と実践

6章  GKCアプローチにもとづく研究データガバナンスの分析
 6.1 知識コモンズとしての研究データリポジトリ
 6.2 研究データガバナンスの現状分析の方法
 6.3 データ収集方法
 6.4 日本の研究データガバナンスの現状
 6.5 小括

7章 デジタルアーカイブの制度設計への反映
 7.1 Europeanaとは
 7.2 Europeanaと知識コモンズ
 7.3 Europeanaにおける知識コモンズ研究の意義
 7.4 小括

8章 オープンアクセスへの反映
 8.1 オープンアクセスとは何か
 8.2 知識コモンズ研究とオープンアクセス
 8.3 COPIMと知識コモンズ
 8.4 小括

9章  おわりに―知識コモンズ研究のこれまでとこれから―
 9.1 知識コモンズとは何か
 9.2 知識コモンズ研究の課題と成果
 9.3 知識コモンズ研究の意義
 9.4 本書の限界

参考文献
あとがき
初出一覧
索  引

著者略歴

著:西川 開
西川 開(にしかわ かい)

1991年北海道生まれ。2021年筑波大学大学院図書館情報メディア研究科博士後期課程修了。博士(図書館情報学)。現在,筑波大学図書館情報メディア系助教。主な著書に,『知識インフラの再設計(デジタルアーカイブ・ベーシックス)』(共著,勉誠出版,2022年),『欧米圏デジタル・ヒューマニティーズの基礎知識』(共著,文学通信,2021年)などがある。

ISBN:9784326000609
出版社:勁草書房
判型:A5
ページ数:212ページ
定価:3200円(本体)
発行年月日:2023年10月
発売日:2023年10月31日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:UB