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コンピュータの原理から学ぶプログラミング言語C

著:太田 直哉

紙版

内容紹介

 本書はコンピュータの初心者が,これからコンピュータの構造や情報処理の原理も含めて,初めてのプログラミング言語としてC言語を学ぶときに使用する教科書ならびに独習書である。本書の特徴は,プロのコンピュータ技術者になることを目的とする読者を想定していることである。そのためにはC言語の理解だけでは不十分で,以下のような項目の十分な理解ができるように構成してある。

1. 計算機の構造の理解と,それらのC言語の要素との関係
2. C言語だけに限定されない情報表現の基礎
3. 上位のC++も含め,他のプログラミング言語共通の概念

 本書では取り扱うC言語の機能を本質的な少数に限定し(完全な仕様はカーニハン&リッチーの『プログラミング言語C』を参照する),それらを十分丁寧に説明することで,初学者が大きな負担なく真の理解が得られるようにした。
 コンピュータプログラミングの一つの事柄を説明するには多くの用語や概念が必要で,説明していない用語や概念を用いて説明することが往々にして起こる。これは初学者を混乱させるため,本書ではこの問題が起こらないような記述とした。各章末には演習問題を付加し,その解答と丁寧な説明を付けた。

目次

第1章 はじめに
1.1 プログラミング言語とC
1.2 プログラミング環境
参考文献

第2章 計算機の構造と動作
2.1 計算機の構造
2.2 計算機の動作
2.3 オペレーティングシステム
参考文献
演習問題

第3章 初めてのプログラム
3.1 hello.cとコンパイル
3.2 Cプログラムの構造とprintf関数
演習問題

第4章 数の計算
4.1 簡単な数値演算プログラム
4.2 変数および定数と型
4.3 四則演算と式
4.4 数値の入出力
4.5 数学関数
演習問題

第5章 処理の制御
5.1 if文と条件式
5.2 for文とwhile文
5.3 break文とcontinue文
演習問題

第6章 配列と文字列
6.1 配列
6.2 文字と文字列
演習問題

第7章 関数
7.1 関数の定義と利用
7.2 配列の引数
7.3 関数の宣言
演習問題

第8章 ファイルの利用
8.1 ディスクの構造とバッファリング
8.2 ファイル操作のプログラム
8.3 その他の関数
演習問題

第9章 データオブジェクトとその変換
9.1 コンピュータでの情報表現
9.2 データ型
9.3 2進数による整数表現
9.4 2の補数による負数の表現
9.5 浮動小数点数
9.6 代入と型変換
9.7 定数の型
演習問題

第10章 ポインタ
10.1 ポインタの正体と利用
10.2 ポインタ変数の型
10.3 配列とポインタの加減算
10.4 void型のポインタ変数
10.5 引数の受け渡しとポインタ
10.6 ポインタ変数へのポインタ
10.7 メモリ領域の動的確保
演習問題

第11章 式と演算子
11.1 式の形式
11.2 算術演算子
11.3 代入演算子
11.4 論理式と論理演算子
11.5 ビット演算子
11.6 演算子の優先順位
演習問題

第12章 構造体
12.1 構造体の用途
12.2 構造体の型とその変数の宣言
12.3 構造体変数の利用
12.4 構造体変数の代入
12.5 typedefの利用
12.6 構造体へのポインタ
演習問題

第13章 初期化
13.1 スカラー変数の初期化
13.2 配列の初期化
13.3 構造体の初期化
13.4 文字列と文字列ポインタの初期化
演習問題

第14章 コンパイラの動作
14.1 コンパイル過程
14.2 プリプロセッサ命令
14.3 分割コンパイル
演習問題

第15章 オブジェクトとスコープ
15.1 局所変数と外部変数
15.2 自動変数と静的変数
15.3 ファイル間での変数と関数のスコープ
演習問題

演習問題の解答
索引

コラム2.1 世界初のコンピュータEDSAC
コラム6.1 テレタイプとASCII文字
コラム9.1 数の表記法とn進数
コラム9.2 パスカルの計算機と補数による減算

ISBN:9784320124776
出版社:共立出版
判型:B5
ページ数:256ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2021年09月
発売日:2021年09月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:UB