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ベルヌーイ数とゼータ関数 新装版

整数論の風景

著:荒川 恒男
著:伊吹山 知義
著:金子 昌信

紙版

内容紹介

 本書は、2001年6月に牧野書店より刊行された『ベルヌーイ数とゼータ関数』を、牧野書店廃業に伴い、権利を継承して新たに出版するものである。ベルヌーイ数を主題の中心に据えて関連する整数論を展開している、もともと好評の書籍であったが、今回の出版にあたり随所で改良を試みている。特に、第6章「2次形式」および第10章「2次体とそのイデアル論」では、読みやすさの改良とともに、一般の原始的2元2次形式の種の理論、すなわち2次体の極大とは限らない整環に関する種の理論を詳述している。他にも、多重ベルヌーイ数についての組合せ論的側面や初版刊行から今までに新しく明らかになった結果などを加筆している。極大でない整環の種の理論について解説している和書はおそらくなく、もともと好評な書籍をさらに貴重なものにしている。

目次

新装版まえがき
まえがき

第1章 ベルヌーイ数
 1.1 定義-歴史からの導入
 1.2 べき乗和の公式とファウルハーバーの定理
 1.3 形式的べき級数
 1.4 ベルヌーイ数の母関数
第2章 スターリング数とベルヌーイ数
 2.1 スターリング数
 2.2 ベルヌーイ数のスターリング数による公式
第3章 クラウゼン・フォンシュタウトの定理とクンマー合同式
 3.1 クラウゼン・フォンシュタウトの定理
 3.2 クラウゼンとフォンシュタウト小伝
 3.3 クンマー合同式
 3.4 クンマー小伝
第4章 一般ベルヌーイ数
 4.1 ディリクレ指標
 4.2 一般ベルヌーイ数
 4.3 ベルヌーイ多項式
第5章 オイラー・マクローリンの和公式とリーマンゼータ関数
 5.1 オイラー・マクローリンの和公式
 5.2 リーマンゼータ関数
第6章 2次体のイデアル論と2次形式
 6.1 2次形式
 6.2 2次体の整環
 6.3 2次形式の類数公式
第7章 ベルヌーイ数と虚2次体の類数との合同関係
 7.1 類数とベルヌーイ数の合同式
 7.2 「フルヴィッツ整」級数
 7.3 定理7.1の証明
第8章 指数和とベルヌーイ数
 8.1 最も簡単な例
 8.2 ガウス和
 8.3 指数和と一般ベルヌーイ数
 8.4 和のさまざまな例
 8.5 散発的な例1:関数を使う
 8.6 散発的な例2:対称性の利用
 8.7 散発的な例3:非対称なものを対称にする
 8.8 2次式と指標和
 8.9 2次条件のある和
第9章 L関数の特殊値と複素積分表示
 9.1 フルヴィッツゼータ関数
 9.2 複素積分表示
 9.3 ζ(s, a) の関数等式
 9.4 L関数の特殊値と関数等式
第10章 類数公式とL関数,および種の理論
 10.1 2次体のイデアル群
 10.2 虚2次体の類数公式の証明
 10.3 種の理論と狭義イデアル類群の実指標
 10.4 概均質ベクトル空間のL関数の例
第11章 p進測度とクンマー合同式
 11.1 p進整数環上の測度と形式的べき級数環
 11.2 ベルヌーイ測度
 11.3 クンマー合同式再論
第12章 フルヴィッツ数
 12.1 フルヴィッツ数
 12.2 フルヴィッツ小伝
第13章 バーンズの多重ゼータ関数
 13.1 多重ゼータ関数の特殊値とベルヌーイ多項式
 13.2 2重ゼータ関数とある種のディリクレ級数
 13.3 ξ(s, α) と連分数
 13.4 バーンズ小伝
第14章 多重ベルヌーイ数
 14.1 多重ベルヌーイ数
 14.2 クラウゼン・フォンシュタウト型定理
 14.3 上指数が負の多重ベルヌーイ数

参考文献
人名索引
事項索引

ISBN:9784320114739
出版社:共立出版
判型:A5
ページ数:332ページ
定価:3800円(本体)
発行年月日:2022年10月
発売日:2022年10月06日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PBH