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計量分析One Point

イベント・ヒストリー分析

著:Paul D. Allison
訳:福田 亘孝

紙版

内容紹介

イベント・ヒストリー分析(生存時間解析)は生物学,医学,工学などの自然科学のみならず,経済学や社会学などの社会科学でも広く使われている。本書はイベント・ヒストリー分析の最も代表的な入門書であり,待望の翻訳書となる。イベント・ヒストリー分析を扱った書籍は生命表を中心にした記述的手法だけを扱っている場合が多いが,本書はコックス回帰や加速時間モデルなどの因果推論を可能にする分析的手法を丁寧に解説している。

扱っている内容は広範囲であるがどの章もわかりやすく書かれており,イベント・ヒストリー分析や生存時間解析に興味のある学部の学生や大学院生の入門書として最適である。また,イベント・ヒストリー分析を実際に利用したい研究者や実務家にとっても分析のハンドブックとして有用であろう。また,訳者補遺として統計ソフトRによるイベント・ヒストリー分析の実践方法の解説もあり,読者が実際に分析してみることもできる。イベント・ヒストリー分析を扱う全ての人にとって必読の書と言えよう。

目次

第1章 はじめに
1.1 イベント・ヒストリー分析の難しさ
1.2 イベント・ヒストリー分析の概観
1.3 計算方法

第2章 離散時間モデル
2.1 離散時間モデルの例
2.2 離散時間ハザード
2.3 ロジスティク回帰モデル
2.4 モデルの推定
2.5 生化学者の分析例の推定結果
2.6 尤度比のカイ二乗検定
2.7 離散時間ロジスティック回帰モデルの注意点
2.8 打ち切り
2.9 離散時間モデルと連続時間モデル

第3章 連続時間を用いたパラメトリックな手法
3.1 連続時間ハザード率
3.2 パラメトリックな比例ハザードモデル
3.3 最尤推定
3.4 分析例
3.5 加速時間ハザードモデル
3.6 適合度の評価
3.7 観察されない異質性の原因
3.8 なぜパラメトリックモデルを使うのか?

第4章 コックス回帰モデル
4.1 比例ハザードモデル
4.2 部分尤度法
4.3 再犯データの部分尤度法への応用
4.4 時間に依存する独立変数
4.5 時間に依存する独立変数を含んだモデル
4.6 比例ハザード性の仮定の検討と修正
4.7 観測期間の選択
4.8 離散時間によるコックス回帰
4.9 コックス・モデルによる予測

第5章 複数事象のモデル
5.1 複数事象の分類
5.2 並行して生じる過程の推定
5.3 競合リスク・モデル
5.4 競合リスク・モデルの分析例
5.5 種類の異なった事象の非独立性
5.6 累積発生率関数

第6章 繰り返しのある事象のモデル
6.1 繰り返しのある事象のカウントデータ・モデル
6.2 時間のギャップに基づく方法
6.3 観測開始からの時間に基づく方法
6.4 分析モデルの拡張

第7章 結論

付 録
A.1 最尤法
A.2 部分尤度法
A.3 繰り返しのない離散時間の尤度関数

参考文献

訳者補遺 Rによる分析例
B.1 はじめに
B.2 カプラン・マイヤー法による生存率の推定
B.3 離散時間モデルの分析方法
B.4 パラメトリックな分析モデル
B.5 コックス・モデル(セミパラメトリック)
B.6 競合リスク・モデルの分析
B.7 繰り返し事象の分析
B.8 おわりに

索 引

ISBN:9784320114111
出版社:共立出版
判型:4-6
ページ数:208ページ
定価:2200円(本体)
発行年月日:2021年10月
発売日:2021年10月27日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB