出版社を探す

法政大学イノベーション・マネジメント研究センター叢書 22

現場の声から考える人間中心設計

著:橋爪 絢子
著:黒須 正明

紙版

内容紹介

消費者に受け入れられやすい、つまりよく売れる製品やよく利用されるサービスを開発することは、企業活動における最重要課題である。
従来はそれを、新機能や意匠デザイン、低価格などによって実現してきたが、人間中心設計(Human Centered Design、以下HCD)の考え方が提唱されて以来、UX(ユーザーエクスペリエンス)の高い製品やサービスの受容性が高いことが明らかになってきた。
こうした「ものづくり」や「ことづくり」の現場における考え方の転換をもたらしたのがISO(JIS)の規格群である。

本書のPART 1では、HCDや関連する規格群が制定された背景をたどりながら、それぞれのキーポイントをおさえ、HCDがどのようにして提起され、普及してきたのかを概観する。
さらにPART 2では、製造業とサービス業の第一線で活躍する人々へのインタビューを掲載し、各企業におけるHCDの考え方や現場での取り組み、HCDとその関連規格の受け入れられ方、規格に対する意見などを対話形式でまとめている。
匿名掲載を前提として話をうかがうことで、実践現場の実態や現場の声を、できる限りありのまま伝えられるように心がけた。以前より、同業他社の動向や現場の実態を知りたいというニーズは高く、本書はそのような声に応えるために執筆されたものである。

目次

PART 1 人間中心設計の規格化

1. 技術中心設計の時代

2. 人間中心という考え方の必要性

3. ユーザビリティへの関心の高まり

 3.1 ノーマンの考え方
 3.2 シャッケルの考え方
 3.3 ニールセンの考え方

4. ISO 9241-11:1998(JIS Z 8521:1999)の規格化

 4.1 ユーザビリティの定義
 4.2 ISO 9241-11:1998(JIS Z 8521:1999)の運用
 4.3 利用の状況について

5. ISO 13407:1999(JIS Z 8530:2000)の規格化

 5.1 ISO 13407:1999 との出会い
 5.2 ISO 13407:1999 の日本語化
 5.3 ISO 13407:1999 とISO 9241-11:1998
 5.4 ISO 13407:1999 という規格の位置づけ
 5.5 人間中心という考え方と人間工学の関係
 5.6 HCDを適用することの利点(根拠)
 5.7 HCDの原則
 5.8 ISO 13407:1999 におけるHCDプロセス
 5.9 ISO 13407:1999 の意義
 5.10 ISO 13407:1999 の国内への影響

6. ISO 9241-210:2010(JIS Z 8530:2019)への改定

 6.1 JIS化に至る経緯
 6.2 ISO 9241-210:2010 における概念整理
 6.3 HCD活動の成果
 6.4 HCDを適用することの利点(根拠)
 6.5 HCDの原則
 6.6 ISO 9241-210:2010 におけるHCDプロセス
 6.7 ISO 9241-210:2010 の意義

7. ISO 9241-11:2018(JIS Z 8521:2020)への改定

 7.1 ユーザビリティの概念
 7.2 利用の成果におけるUXの扱い
 7.3 ユーザビリティの概念の適用
 7.4 ユーザビリティ評価と測定尺度

8. ISO 9241-210:2019(JIS Z 8530:2021)への改定

 8.1 概念整理
 8.2 HCD活動の成果
 8.3 HCDを適用することの利点(根拠)
 8.4 HCDの原則
 8.5 HCDの活動の関係図
 8.6 JIS Z 8530:2021 の意義



PART 2 HCD の実践現場の声

9. インタビューの概要

10. 製品・システム分野

 10.1 UX デザイナーのA さん
 --製造業(医療機器)、従業員規模:10,000 人以上

 10.2 設計・開発担当のB さん
 --製造業(光学機器)、従業員規模:10,000 人以上

 10.3 設計・開発担当のC さん
 --製造業、従業員規模:10,000 人以上

 10.4 デザイナーのD さん
 --製造業(総合電機・システム)、従業員規模:10,000 人以上

 10.5 マーケティング担当のE さん
 --製造業、従業員規模:未回答

 10.6 アプリケーションエンジニアのF さん
 --製造業(設備機器)、従業員規模:10,000 人以上

11. サービス分野

 11.1 UX デザイナーのGさん
 --Web サービス、従業員規模:10,000 人以上

 11.2 デザインリサーチ担当のHさん
 --Web サービス、従業員規模:10,000 人以上

 11.3 出資・アライアンス担当のIさん
 --通信・IT、従業員規模:10,000 人以上

 11.4 UI デザイナーのJさん
 --通信・IT、従業員規模:300 人以下

 11.5 デザインコンサルタント/デザイナーのKさん
 --デザインコンサルティング、従業員規模:300 人以下

 11.6 マーケティングリサーチャーのLさん
 --マーケティングリサーチ、従業員規模:300 人以下

12. まとめ:著者対談

引用文献

あとがき ― 対話風に

索  引

ISBN:9784320072008
出版社:共立出版
判型:A5
ページ数:276ページ
定価:3200円(本体)
発行年月日:2022年03月
発売日:2022年03月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TBC