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エネルギー科学と地球温暖化

エネルギーを知れば世界が変わる

他著:氏田 博士
他著:加藤 之貴
他著:千葉 敏

紙版

内容紹介

 エネルギー科学は,時間・空間共にマルチスケールの学問である点が特徴的である。本書は,エネルギーを発生する基となる物質の根本起源を探るため,宇宙や地球が創生され,原子や原子核が合成されていった歴史から解き明かし,エネルギーとは何かを解説する。さらに,エネルギー環境問題を背景としてエネルギー科学のあり方とエネルギーシステム技術の現状と将来展望について概観する。
 地球温暖化問題を中核とするエネルギー環境問題への対処など,エネルギー科学は人類の生存や発展のために欠かせない学問である。そのためには,様々な研究分野との連携が必要となり,物理学の知識はもちろんのこと,システム思考や社会性など幅広い好奇心と気象学や環境学また経済学などの素養も望まれる。本書でエネルギー科学に対する知的好奇心が触発され,この分野の研究者が増えて,科学技術による社会への貢献が進むことを期待する。

目次

第1部 エネルギーとは

第1章 エネルギーとは何か
1.1 “木をくれ!”
1.2 エネルギーと物質
1.3 基本的物質の性質
1.4 宇宙と物質の始まり
1.5 星や銀河の誕生と進化
1.6 星による元素の合成
1.7 宇宙船地球号のエネルギー環境

第2章 地球温暖化とエネルギーセキュリティとエネルギー・資源
2.1 地球温暖化(3E:環境,経済,エネルギー問題)と資源問題
2.2 地球温暖化防止のための長期エネルギービジョン
2.3 エネルギーセキュリティの重要性 


第2部 個別のエネルギー資源・技術

第3章 化石エネルギー
3.1 化石エネルギーとは
3.2 天然ガス,あるいはメタン
3.3 石油
3.4 石炭
3.5 炭素回収隔離

第4章 原子力エネルギー
4.1 核分裂の発見と世界最初の原子炉
4.2 原子力開発動向
4.3 原子力の資源と今後の展望

第5章 再生可能エネルギー
5.1 再生可能エネルギーの起源
5.2 各種の再生可能エネルギー
5.3 再生可能エネルギーの利用
5.4 世界の導入ポテンシャル
5.5 日本の再生可能エネルギーの導入状況
5.6 再生可能エネルギーの経済性


第3部 エネルギーシステムのあるべき姿

第6章 エネルギーシステムとエネルギー経済
6.1 エネルギー変換
6.2 ヒートポンプ
6.3 燃料電池
6.4 水素エネルギー
6.5 炭素循環エネルギーシステム
6.6 水素から見たエネルギーシステムとエネルギー経済

第7章 システム安全学
7.1 システム論の概念
7.2 安全とリスクの概念
7.3 エネルギー環境問題のリスクベネフィット
7.4 今後の地球温暖化政策と途上国支援のあり方

第8章 エネルギーとそのシステムの将来展望
8.1 エネルギー科学の将来展望
8.2 省エネルギー技術の将来展望
8.3 再生可能エネルギー技術の将来展望
8.4 低炭素化(CO2 利用)技術の将来展望
8.5 原子力エネルギー技術の将来展望
8.6 エネルギーシステムの将来展望
8.7 国際的なエネルギー環境政策のあり方

ISBN:9784320071971
出版社:共立出版
判型:A5
ページ数:256ページ
定価:3300円(本体)
発行年月日:2015年10月
発売日:2015年10月24日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TBC