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分析化学実技シリーズ 機器分析編 18

バイオイメージング

編:日本分析化学会
著:小澤 岳昌

紙版

内容紹介

 バイオイメージングは,現代の生命科学研究の基盤技術として,多くの研究者が活用する時代となっている。実際,生きた細胞ではたらく生体分子を観たい,顕微鏡でタンパク質の機能を長時間観察したい,高分解能の細胞内の構造体を解明したい,独自に開発した蛍光分子がイメージングに使えるか試したいなど,バイオイメージングに求める期待は分野や研究者の背景によって様々であろう。
 本書は,これからバイオイメージングを行う初学者に,これだけは知っておいて欲しい基礎知識を,蛍光イメージング,発光イメージング,ラマンイメージングの3つに焦点を絞り概説している。いずれも顕微鏡をブラックボックスとして使うのではなく,顕微鏡の基礎知識を先ずは学習し,その上でイメージングの応用が実践できるように,原理的側面を中心として平易な解説を試みた。細胞や動物を用いてイメージングを実践すれば,顕微鏡のマニュアルやイメージングの専門書を紐解かなくてはならない状況が生まれるであろう。しかし基礎知識なくては,そうした専門書の内容を正確に理解することは難しい。バイオイメージングにこれから入門しようとする方が,イメージングのイロハを知るための初学書として,本書は最適なものとなっている。

目次

Chapter 1 バイオイメージングの基礎
1.1 バイオイメージングとは
1.2 バイオイメージングの必要性
1.3 バイオイメージングの誕生
1.4 バイオイメージングに用いる蛍光・発光・ラマン散乱光

Chapter 2 顕微鏡の基本原理
2.1 光学原理
2.2 顕微鏡の種類
2.3 顕微鏡の結像原理と性能
2.4 顕微鏡の基本構成
2.5 コントラスト作成
2.6 時間分解能と空間解像度

Chapter 3 蛍光イメージング
3.1 蛍光分子
3.2 蛍光プローブ
3.3 蛍光イメージング法
3.4 共焦点レーザー走査型蛍光顕微鏡
3.5 二光子励起蛍光顕微鏡
3.6 全反射蛍光顕微鏡
3.7 光シート型蛍光顕微鏡
3.8 蛍光相関分光法(FCS)
3.9 超解像蛍光顕微鏡
3.10 蛍光イメージングの実践

Chapter 4 発光イメージング
4.1 発光分子
4.2 発光プローブ
4.3 発光イメージング法
4.4 細胞観察用顕微鏡
4.5 動植物個体観察用装置

Chapter 5 ラマンイメージング
5.1 ラマンイメージングとは
5.2 ラマンプローブ
5.3 ラマンイメージング法
5.4 ラマンイメージングシステム
5.5 ラマンイメージングの実践

Chapter 6 イメージングの未来展望
6.1 イメージング材料
6.2 プローブ開発
6.3 観察法
6.4 新たなイメージング技術

ISBN:9784320044579
出版社:共立出版
判型:A5
ページ数:132ページ
定価:2700円(本体)
発行年月日:2020年03月
発売日:2020年03月16日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PSF