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KEK物理科学シリーズ 7

物質科学の最前線

監:高エネルギ―加速器研究機構
著:村上 洋一

紙版

内容紹介

物質科学の特徴は,その多様性にあり,研究分野は多岐に及んでいる。本書で取り扱う内容はその中のごく一部分ではあるが,物質科学の基本問題に根ざした研究が取り上げられている。基礎的な事項の説明から始めて,物質科学研究の最前線までが分かり易く書かれているので,大学の学部生にもその内容は十分に理解でき,物質科学の面白さを感じ取って貰えるだろう。また本書では,加速器科学の進展により発達した量子ビームが,基礎研究から応用研究まで,どのように現代物質科学研究に役立っているか,ということが詳しく書かれている。今後の研究において,量子ビームを利用しようと考えている大学院生や若手研究者にとっては,量子ビームに関する有意義な情報を得る機会となるだろう。

目次

第1章 構造物性研究入門
1.1 構造物性研究とは何か
1.2 電子のもつ自由度
1.3 放射光X線による電子自由度秩序の観測
1.4 構造物性研究の展望

第2章 超伝導と磁性の共存と競合
2.1 伝導と磁性の相関研究
2.2 量子ビームを用いた物性分光法
2.3 典型的な金属磁性体の磁気励起
2.4 磁性が関与する新規超伝導体の磁性研究
2.5 量子ビームを用いた伝導と磁性の相関研究の将来
2.6 まとめ

第3章 エレクトロニクスからスピントロニクスへ
3.1 エレクトロニクス,磁気記録デバイス開発の歴史
3.2 デバイスの性能を決める界面構造の研究とその物理
3.3 スピントロニクスの将来(MRAM への挑戦)

第4章 ソフトマターの構造と物性
4.1 ソフトマターとは何か
4.2 両親媒性分子
4.3 実験手法
4.4 マイクロエマルションの構造と相転移
4.5 リン脂質膜の構造とダイナミクス
4.6 まとめ

第5章 エネルギー関連機能性物質
5.1 機能性物質とノーベル賞
5.2 機能性物質とは何か
5.3 イオン導電体とは何か
5.4 リチウムイオン導電体
5.5 エネルギー変換材料
5.6 Liイオン電池
5.7 材料の構造解析

ISBN:9784320034907
出版社:共立出版
判型:A5
ページ数:256ページ
定価:4000円(本体)
発行年月日:2015年08月
発売日:2015年08月23日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PHM