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10億分の1を乗りこえた少年と科学者たち――世界初のパーソナルゲノム医療はこうして実現した

著:マーク・ジョンソン
著:キャスリーン・ギャラガー
訳:梶山 あゆみ

紙版

内容紹介

2007年5月、ウィスコンシン小児病院に2歳の男の子がやって来た。
食事をするたびに腸に小さな穴が開き、その穴が皮膚表面まで通じてそこから便が漏れるという奇病を患っている。 「10億人にひとり」レベルの稀な症例を前に、医師たちは様々な検査をするが原因がまったくわからず、 過去の文献にも例がない。このままでは10歳までもたないと思われた。

2009年、ついに医師たちは最後の手段として臨床の場では世界に例のないゲノム解析により、
原因遺伝子を突きとめて治療の手がかりをつかもうという大胆な試みに踏みきる。
その結果は? そしてこの医療が突きつけた倫理問題とは?

診断名のつかない難病を抱えた少年との出会いから、世界初のパーソナルゲノム医療が
実現するまでを息詰まる筆致で綴った医療ドキュメンタリー。
2011年「ピューリッツァー賞・解説報道部門」受賞記事の書籍化!

目次

【目次】
1 越えられない一線――2009年6月 
2 四文字の向こうにあるもの――1993年4月 
3 大きな決断――1993‐96年 
4 ハーメルンの笛吹き――1996‐2004年 
5 尋常ならざる患者――2004年秋‐07年初頭 
6 診断を求める終わりなき旅――2007年5‐9月 
7 天井のクモ――2007年9‐10月 
8 一歩を踏みだすなら大きく速く――2007年11月‐08年1月 
9 患者X――2008年2‐8月 
10 隠し事はもうおしまい――2008年 
11 生きのこり――2009年2‐3月
12 ドラゴン――2009年2‐6月 
13 ゲノムのジョーク――2009年6月 
14 自分たちがここにいる理由――2009年7‐8月
15 未知の領域――2009年7月 
16 聞いてもらいたいことがある――2009年8月 
17 細く白い糸――2009年8‐9月 
18 数千の容疑者――2009年秋 
19 犯人――2009年11‐12月 
20 確信と疑念――2010年1月 
21 クリームドコーンの匂い――2010年6月 
22 遺伝子に刻まれていたもの――2010‐14年 
23 さあ、ついてこい――2010‐15年 

謝辞 
解説

著者略歴

著:マーク・ジョンソン
【著者】 マーク・ジョンソン(Mark Johnson)
アメリカのジャーナリスト。2000年から『ミルウォーキー・ジャーナル・センティネル』紙で健康・科学関連の記事を担当。
本書の主題に関する一連の報道で、2011年に「ピューリッツァー賞・解説報道部門」を受賞した同紙チーム5人のうちのひとり。
著:キャスリーン・ギャラガー
【著者】 キャスリーン・ギャラガー(Kathleen Gallagher)
アメリカのジャーナリスト。ジョンソンとともに、2011年にピューリッツァー賞を受賞。
現在はミルウォーキー・インスティチュートで事務局長をつとめている。
訳:梶山 あゆみ
【訳者】 梶山あゆみ(かじやま・あゆみ)
翻訳家。訳書に『原爆を盗め!』『自分の体で実験したい』『小さな塵の大きな不思議』(以上、紀伊國屋書店)、
『生物はなぜ誕生したのか』(河出書房新社)、『冥王星を殺したのは私です』(飛鳥新社)など多数。

ISBN:9784314011655
出版社:紀伊國屋書店出版部
判型:4-6
ページ数:324ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2018年11月
発売日:2018年11月02日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VFD