これで失敗しない! 自治体財政担当の実務
著:林 誠
内容紹介
★★★「失敗」は教訓の宝庫だ!★★★
自治体の財政担当に向けて、あるある事例から紐解く対処法と防止策!
間違いが許されない公務員にとって、「失敗」や「ミス」はタブー。ましてや財政担当がそれを犯したら自治体財政に大きな穴を空けてしまうことも。
自治体では、実際にさまざま「失敗」が起こっていますが、本書では、失敗を貴重な教訓として捉えることで、財政担当に求められる実務上のポイントを解説します。
・普通交付税の積算ミス
・財政調整基金の積立て漏れ
・補正予算の見通し間違い
多くの失敗は、ちょっとした食い違いや気のゆるみが招いたものです。
そこで本書は、失敗がなぜ起こったのか、どうすればよかったのか、といった視点から、避けられる失敗、悔いばかりが残る失敗を防ぐために何をすべきかを伝えます。
目次
第1章 「先入観・思い込み」をめぐる失敗
①いつまでもあると思うなその補助金 ――国・県の補助打ち切り
②「どんでん返し」にご用心 ――会計検査院からの指摘
③タダより高いものはない ――「ゼロ予算事業」の罠
④「引き返す」道筋もつけておく ――民間委託の落とし穴
⑤働き方改革に例外なし ――財政課の残業削減
⑥「自分の頭」で考えよ ――コピペ資料で赤っ恥
⑦「段取り」をおろそかにするな ――予算の裏付けへの指摘
⑧流行りものには気を付けろ ――ブームの終焉は突然に
⑨プロとしてはいただけない「勘違い」 ――地方交付税制度への誤解
COLUMN1 「先入観・思い込み」からは逃れられない
第2章 「見落とし・確認不足」をめぐる失敗
①ミスゼロは無理でも執念を持って ――予算資料の誤り
②「うっかり」では済まされない ――議案の提出漏れ
③確認は「しつこい」くらいがちょうどいい ――交付金繰越手続きのミス
④「切る・削る」だけが能ではない ――特定財源の充当先がなく大慌て
⑤「屋台骨」の自覚を持って ――財政調整基金の積立て漏れ
⑥1日違いで大違い ――年度区分の誤り
⑦「知らない」では済まされない ――世にも不思議な地方交付税制度
⑧先が見えない制度の先を読む ――地方交付税の見込み違い
COLUMN2 「見落とし・確認不足」のゼロは無理でも
第3章 「油断・過信」をめぐる失敗
①失くすのは情報だけではない ――USBメモリ紛失
②「見られている」と自覚せよ ――財政課職員の態度にクレーム
③他力本願での予算削減は無理 ――自治体版予算仕分けに批判噴出
④やめるのは、始めるよりも難しい ――イベント事業がずるずる継続
⑤信頼しても鵜呑みにはするな ――補正予算の見通し間違い
⑥汚職はどこにでも起こり得る ――入札予定価格の漏えい
⑦エースに頼り切りはキケンです ――突然の退職で業務が停滞
⑧「魔が差さない」仕組みをつくれ ――公金の着服・横領
⑨十分な見極めと検証を ――応募なきネーミングライツ
COLUMN3 「油断・過信」が生まれるメカニズム
第4章 「コミュニケーション」をめぐる失敗
①笛吹けど踊らず ――不満がくすぶる枠配分予算
②ありのままの姿を工夫した見せ方で ――財政状況の説明
③「削る理由」より「付ける理由」を ――予算査定で目指すもの
④危機感の刷り込みはほどほどに ――集まらない新規事業提案
⑤ときには「ハッタリ」も使え ――事業課からの信頼獲得に向けて
⑥リップサービスはそこそこに ――予算ヒアリングで論争勃発
⑦「負の連鎖」に終止符を打て ――繰り返される不正・改ざん
⑧数字は一人歩きする ――マスコミへの情報提供で大混乱
⑨思いが噛み合わないと嘆くより ――首長との意思疎通
⑩「えこひいき」と思われるなかれ ――資料配布で議員からクレーム
⑪功罪両面を受け止めて ――ふるさと納税の悲喜こもごも
COLUMN4 「コミュニケーション」の難しいことときたら