出版社を探す

津波のあいだ、生きられた村

他著:饗庭 伸
他著:青井 哲人
他著:池田 浩敬

紙版

内容紹介

明治三陸地震、昭和三陸地震と津波の最高遡上高を記録した大船渡市・綾里(りょうり)は、「津波のあいだ」をどう過ごしてきたか。

2011年に起きた東日本大震災は、私たちが震災に対して持っていた周期的なイメージを強く上書きした。1933年の昭和三陸地震、1896年の明治三陸地震の記録がふたたび掘り起こされたのである。そして、このことは私たちがこれまではっきりと意識してこなかった、「津波のあいだ」を意識させることになった。(まえがきより)

目次

まえがき

第1章 綾里
津波のあいだと村 
綾里という地域 
3度の大津波 
綾里の昭和 
無意識の高台移転 
津波前夜の綾里 

第2章 空間
江戸から明治までの集落と津波 
「復興地」はどうして生まれたか 
何がどう動いたか 
復興地に建てられた家 
気仙の大工たち 

第3章 社会
綾里という地域社会 
多様な信仰と人々のつながり 
生業と経済 
津波と地域社会 
綾里という「直線」 
小石浜の事例 

第4章 避難
東日本大震災時の津波避難 
災害直後の避難生活の教訓と知恵

第5章 復興
近代復興と東日本大震災 
綾里の復興  
すまいの復興  
復興の手法 
明けの綾里 

第6章 継承
継承の方法 
行事に組み込む 
記録を残す方法  
津波のあいだの過ごし方  

あとがき

著者略歴

他著:饗庭 伸
饗庭 伸(あいば・しん)
1971 年兵庫県生まれ。首都大学東京都市環境学部教授。早稲田大学理工学部建築学科卒業。博士(工学)。専門は都市計画・まちづくり。人口減少時代における都市計画やまちづくりの合意形成のあり方について研究すると同時に、実際のまちづくりに専門家として関わり、そのための技術開発も行っている。主な著書に『都市をたたむ』(花伝社)、『白熱講義 これからの日本に都市計画は必要ですか』(共著、学芸出版社)、『東京の制度地層』(編著、公人社)など。
他著:青井 哲人
青井哲人(あおい・あきひと)
1970年愛知県生まれ。明治大学理工学部教授。京都大学博士課程中退後、神戸芸術工科大学、人間環境大学をへて現職。博士(工学)。専門は建築史・建築論。家や村や街のごく自然な成り立ちのなかに「意志」を読むことが最近のテーマです。著書に『彰化一九〇六年:市区改正が都市を動かす』(アセテート)、『植民地神社と帝国日本』(吉川弘文館)、『明治神宮以前・以後』(共編著、鹿島出版会)、『近代日本の空間編成史』(共著、思文閣出版)、『世界建築史十五講』(共編著、彰国社)ほか。
他著:池田 浩敬
池田浩敬(いけだ・ひろたか)
1960年東京都生まれ。常葉大学社会環境学部教授。早稲田大学理工学部建築学科卒業。博士(都市科学)/東京都立大学。専門は都市防災・事前復興計画。津波など災害時の避難行動調査や避難シミュレーション等に関する研究、震災等に備えるための事前復興計画などの研究を行なっている。主な著書に『行動をデザインする』(共著・彰国社)など。

ISBN:9784306073531
出版社:鹿島出版会
判型:257x257mm
ページ数:120ページ
定価:3600円(本体)
発行年月日:2019年09月
発売日:2019年09月14日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JKS