出版社を探す

SD選書 147

イタリア都市再生の論理

著:陣内 秀信

紙版

内容紹介

ティポロジアで都市を読み解く。
過去の建築・都市文化を継承しながら、人間の生活を包みこむ豊かな都市環境をいかに形成してゆくか。
イタリアが獲得した都市再生の全容を明かす。

目次

はじめに

1 保存再生理論の展開史
 モニュメント保存と文化的言訳
 環境へ、そして歴史地区へ
 調査と計画。保存の文化的価値
 保存の社会・経済的価値

2 ムラトーリ学派の人々
 都市の新しい見方
 都市組織を読むムラトーリ
 建築・都市の現実に迫るマレット
 ティポロジアの確立者カニッジャ
 イタリアの住宅建築の系譜

3 ナポリのヴィットリーニ
 新しいタイプの都市計画家
 歴史的都市の現状分析
 アヴェルサの卒業計画

4 ヴェネツィアのトリンカナート
 大学内の修復研究室の役割
 授業と実践

5 ローマのモンタナーリ
 若手建築家の歩み
 イタリア・ノストラでの活動
 ローマの歴史地区の近代史
 ローマ・センターでの研修指導

6 ボローニャのチェルヴェッラーティ
 都市の新しい文化
 歴史地区保存の技法
 進行する再生事業

7 タラントのオルディネ
 歴史と都市問題の根
 再生事業の進め方

8 クレタ島のコスタンティーノ
 イタリアでの学生生活
 ピアッツァ・メルカート再開発計画
 故郷クレタ島へ戻って

あとがき
図版出典リスト

著者略歴

著:陣内 秀信
陣内秀信(じんない・ひでのぶ)
法政大学江戸東京研究センター特任教授。
東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。
イタリア政府給費留学生としてヴェネツィア建築大学に留学、ユネスコのローマ・センターで研修。専門はイタリア建築史・都市史。建築史学会会長、地中海学会会長、都市史学会会長を歴任。中央区郷土天文館館長、国交省都市景観大賞審査委員長ほか。
著書に『都市のルネサンス―― イタリア建築の現在』中央公論社、一九七八年、『東京の空間人類学』筑摩書房、一九八五年、『ヴェネツィア―― 水上の迷宮都市』講談社、一九九二年、『都市と人間』岩波書店、一九九三年、『南イタリア都市の居住空間』(編著)中央公論美術出版、二〇〇五年、『イタリア海洋都市の精神』講談社、二〇〇八年、『水の都市 江戸・東京』(編著)講談社、二〇一三年、『イタリア都市の空間人類学』弦書房、二〇一五年、『水都ヴェネツィア―― その持続的発展の歴史』法政大学出版局、二〇一七年など。

ISBN:9784306051478
出版社:鹿島出版会
判型:4-6
ページ数:250ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:1978年