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妖怪・憑依・擬人化の文化史

編著:伊藤 慎吾
他著:飯倉 義之
他著:伊藤 信博

紙版

内容紹介

古代から現代、『日本書紀』から『妖怪ウォッチ』まで
文学・絵画・民俗資料や、小説・マンガ等の中で
異類たちはどのように表現され、
背後にどのような文化的要素があったのか

異類の文化を解き明かす、初の入門書!

【本書では人間に対する異類、人間に擬えられた異類を対象としている。異類として表現された実在/非実在の動物は人間から離れて存在しないのである。物理的に未踏の山奥や海底に棲むとされるものといえども、目撃され、あるいは想像されることで立ち現れるのだ。以下では日本の精神文化を映し出す鏡として異類を見ていくことにしたい。...「異類文化学への誘い」より】

執筆は、伊藤慎吾、飯倉義之、伊藤信博、今井秀和、北林茉莉代、佐伯和香子、塩川和広、杉山和也、永島大輝、毛利恵太。

目次

異類の出現する時 --本書の手引き ●伊藤慎吾

総 論 異類文化学への誘い ●伊藤慎吾

Ⅰ 妖 怪

総 説
 描かれる異類たち--妖怪画の変遷史 ●飯倉義之
前近代から現代へ
 変貌するヌエ ●杉山和也
コラム1「ねこまた」
 ネコマタとその尻尾の描写の変遷 ●毛利恵太
コラム2「くだん」
 「くだん」が何を言っているかわからない件 ●永島大輝
現代から前近代へ
 ゆるキャラとフォークロア
 --ゆるキャラに擬人化される民間伝承-- ●飯倉義之
コラム3「妖怪ウォッチ」
 『妖怪ウォッチ』と『ポケモン』の動物妖怪 ●今井秀和
コラム4「東方キャラ」
 東方プロジェクトの妖怪キャラクター ●伊藤慎吾

Ⅱ 憑 依

総 説
 憑依する霊獣たち--憑き物、神使、コックリさん-- ●今井秀和
前近代から現代へ
 狐憑き--近世の憑きもの・クダ狐を中心に-- ●佐伯和香子
コラム5「狐憑き」
 狐憑きと脳病 ●伊藤慎吾
コラム6「馬の神の託宣」
 馬の神の託宣 ●伊藤慎吾
現代から前近代へ
 ペットの憑霊--犬馬の口寄せからペットリーディングまで-- ●今井秀和
コラム7「犬神憑き」
 犬神系の一族 ●永島大輝
コラム8「実話怪談・都市伝説」
 動物霊が友達になるまで ●飯倉義之

Ⅲ 擬 人 化

総 説
 擬人化された異類 ●伊藤慎吾
前近代から現代へ
 擬人化された鼠のいる風景--お伽草子『隠れ里』再考 ●塩川和広
コラム9「花月往来」
 『花月往来』の魅力--花と月の合戦-- ●北林茉莉代
コラム10「近世擬人物」
 なぜ江戸時代に擬人化がひろがったのか ●伊藤信博
現代から前近代へ
 物語歌の擬人化表現--童謡とコミックソングのはざまで-- ●伊藤慎吾
コラム11「妖怪擬人化」
 妖怪の擬人化、そして人間化 ●飯倉義之
コラム12「擬人化コスプレ」
 擬人化コスプレの登場 ●伊藤慎吾
西欧の擬人化事情
 西欧の擬人化表現と日本漫画の影響 ●伊藤信博

もっと知りたい人のために
 参考文献ガイド
 異類文化史年表

あとがき
執筆者一覧
索引【異類・人名・作品名】

著者略歴

編著:伊藤 慎吾
國學院大學・非常勤講師。物語研究・室町文化史・キャラクター文化論。著書に『室町戦国期の文芸とその展開』(三弥井書店、2010年)、『室町戦国期の公家社会と文事』(同、2012年)、「南方熊楠『蛤の草紙』論の構想」(『南方熊楠研究』第9号、2015年)。
他著:飯倉 義之
國學院大學文学部准教授(専門は口承文芸学、民俗学)*共編著に『ニッポンの河童の正体』(新人物往来社、2010年)、『日本怪異妖怪大事典』(東京堂出版、2013年)など 。論文に「妖怪のリアリティを生きる」(『現代民俗学研究』第7号、現代民俗学会、2015年3月)ほか。
他著:伊藤 信博
名古屋大学国際言語文化研究科助教(お伽草子、絵巻・奈良絵本)*「擬人化され、可視化される植物・食物--室町から江戸時代を中心に」(『アジア遊学』第154号、勉誠出版、2012年6月)、「室町から江戸期における飢饉と食物生産」(『地理と文化』第86号、アルマルタン社、2014年8月)、共著に『『酒飯論絵巻』影印と研究 文化庁本・フランス国立図書館本とその周辺』(臨川書店、2015年)。

ISBN:9784305707970
出版社:笠間書院
判型:A5
ページ数:362ページ
価格:2200円(本体)
発行年月日:2016年02月
発売日:2016年02月15日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBCC