伏見院御集[広沢切]伝本・断簡集成
編:久保木 哲夫
編:別府 節子
編:石澤 一志
内容紹介
南北朝時代のさきがけとなる両統迭立時代を生きた第九十二代天皇伏見院(1265〜1317)の和歌三千首以上を収録。
伏見院自身の筆になる「伏見院御集」は、古来「広沢切」として、その卓越した歌・筆跡が尊ばれ、多くの人々を魅了、諸家に分蔵されることになった。現段階において、その「広沢切」を可能な限り収集・翻刻。伝本として書籍の形態をとっているもののみを対象とした『新編国歌大観』『新編私家集大成』と異なり、本書では巻子本、転写本、断簡を問わず収録。脚注にて、重出歌や他文献所載歌を示した。
京極派和歌を考える際の最も基礎的で、不可欠な資料がここに誕生。
目次
はしがき
凡例
伝本本文([ ]内は『新編国歌大観』番号。◇印は『伏見天皇御製集』による本文。△印は転写本(冊子本も含む)。)
一[1〜101]東山御文庫蔵「後伏見天皇宸翰御詠歌」101首
二[102〜201]同上 100首
三[202〜267]京都国立博物館蔵「伏見天皇宸翰御歌集残巻」79首
四[277〜376]国立歴史民俗博物館蔵(高松宮旧蔵)「伏見院宸翰御詠草」101首
五[377〜475]同上 99首
◇ 六[476〜575]閑院宮旧蔵 100首
◇ 七[576〜674]同上 100首
八[675〜774]西本願寺蔵 100首
九[775〜874]金刀比羅宮蔵「伏見天皇御歌集」100首
一〇[875〜1072]東山御文庫蔵「伏見天皇御歌集」200首
一一[1073〜1212]同上 141首
一二[1213〜1409]宮内庁書陵部蔵「伏見天皇御集 夏部」198首
一三[1410〜1508]開口神社蔵 100首
一四[1509〜1600]谷森真男旧蔵 96首
一五[1601〜1635]森川馨旧蔵 35首
一六[1636〜1755]徳川黎明会蔵「広沢切貼込屏風」120首
△一七[1756〜1862]宮内庁書陵部蔵「後伏見院御詠草」107首
△一八[1863〜1962]宮内庁書陵部蔵「後伏見院御詠草」100首
△一九[1963〜2062]宮内庁書陵部蔵「伏見院御製」100首
二〇[2063〜2162]古曽志文吉蔵 100首
二一[2163〜2262]藤井真津子蔵 100首
二二[2263〜2317]大東急記念文庫蔵 55首
二三[2318〜2373]出光美術館蔵 56首
二四[ナシ]増上寺蔵 17首
△二五[ナシ]国文学研究資料館蔵 17首
△二六[冬1〜100]有吉保蔵「後伏見院宸翰 広沢切」100首
断簡本文(620首)
A 『古筆学大成』所収断簡(92葉)
B 写真等、資料のある断簡(48葉)
C すでに活字化されているが(『伏見天皇御製集』など)、写真等、資料のない断簡(32葉)
解題
伝本の現状 重出歌の問題 筆跡の認定その一 筆跡の認定その二 断簡の多様性
題・詞書索引(仮名の部・漢字の部)/各句索引
あとがき