紫式部の父親たち
中級貴族たちの王朝時代へ
著:繁田 信一
内容紹介
もし紫式部の父親が、出世していたら、
『源氏物語』は存在しなかったかもしれない----。
王朝時代の中級貴族たちの暮らしぶりを、
当時の手紙から復元し、生き生きと蘇らせる。
紫式部であれ、清少納言であれ、
和泉式部であれ、みんな、
中級貴族の娘だった!
目次
序 章 紫式部が見ていた父親の背中
第一章 酒を酌み交わす詩人たち
第一節 詩会を企画する筑前守
第二節 「竹林の七賢」を気取る大内記
第三節 詩も酒も「いける口」の文章博士
第二章 たかられる受領たち
第一節 気前のいい土佐守
第二節 皇后の生活費を賄わされる伊予守
第三節 女童の衣裳を調達させられる丹後守
第三章 忙殺される中級貴族たち
第一節 受領就任の順番を待つ蔵人
第二節 職人の確保に苦労する弾正大弼
第三節 将来を占いで知ろうとする造酒正
第四節 修法の依頼状を代書する前備中守
第四章 気位を高く保つ文章家たち
第一節 名文の礼状をしたためる勘解由次官
第二節 神々への嘆願書を代書する式部丞
第三節 文人としての名誉を得た式部大輔
第五章 さまざまな専門家を頼る王朝貴族たち
第一節 別荘の地相を気にする因幡守
第二節 長寿の秘薬を求める駿河権守
第三節 瓜盗人に悩まされる散位
第六章 悪徳の誘惑と闘う受領たち
第一節 儲け話を持ちかけられる伊勢守
第二節 前任者の不正に目をつぶる周防守
第三節 友人の悪徳をたしなめる安芸守
第四節 他人の荘園を侵害する近江守
第七章 研鑽を怠らない学者たち
第一節 秘伝の学説を知りたがる兵部少輔
第二節 秘蔵の書物を貸し出す前式部大輔
第三節 白楽天に憧れる東宮学士
第八章 息子の将来を心配する父親たち
第一節 息子の上司に掛け合う「老翁」
第二節 息子の出世に歓喜する「老翁」
第三節 息子の元服の準備に奔走する但馬守
第四節 賭博に熱中する息子を叱る左京大夫
終 章 紫式部の父親を見る眼
引用資料一覧
主要参考文献一覧
あとがき