大岡昇平の創作方法
『俘虜記』『野火』『武蔵野夫人』
著:野田 康文
紙版
内容紹介
事実を確定する行為とは異質な語りで、物語化を拒否した大岡。読者をより豊かな解釈の可能性へと導くためにテクストはどのように書かれたのか、昭和最後の文豪の巧技を、初期三作品から明らかにする。
目次
はじめに凡例序章第1章『俘虜記』の創作方法—背景としての記録文学第2章『俘虜記』から『野火』へ—映像の記憶と記述される言葉第3章『野火』の文体—反転する視覚性第4章『武蔵野夫人』における間テクスト性の問題 —「誓い」に織り込まれたスタンダール『パルムの僧院』終章初出一覧・参考文献一覧・あとがき