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ことばが拓く古代文学史

編:鈴木 日出男

紙版

内容紹介

共同執筆による新たな手法で、「ことば」や「作品」の独自性を突き詰めながら、埋もれていた実り豊かな「文学史」を掘り起こす。ミクロとマクロの相が交錯する36人渾身の書き下ろし。

目次

第Ⅰ章 立ち上がる古代文学史多田一臣 鏡王女の贈答歌大浦誠士 序歌と「意味」新谷正雄 道と衢 万葉集巻一二・三一〇一〜二歌を通して鉄野昌弘 家持集と万葉歌小川靖彦 萬葉集古訓の詩法 文学史・文化史のなかの天暦古点品田悦一 伊藤左千夫と『万葉集』 「俗謡」否認と民族の不在石田千尋 古事記歌謡の〈抒情〉平沢竜介 古代文学における自然表現 『古事記』『万葉』から平安文学まで第Ⅱ章 詩と歌の想像力の揺籃藤原克己 漢語の「情」と和語の「なさけ」と佐藤信一 「文章」論 菅原道真を中心に高田祐彦 かな文学創造 『竹取物語』と『古今集』柳澤朗 光る・見る・うつくし 竹取物語私論序章鈴木宏子 『古今集』の擬人法奥村英司 喪失のうた 歌物語の消長今井久代 「歌語り」の時代 語りのなかの歌の獲得に向けて第Ⅲ章 収斂しつつ膨張する王朝文学史島内景二 物語の力学 人が人を動かす力、および文学の影響力の研究大井田晴彦 『うつほ物語』の世界 その作家精神をめぐって池田節子 『蜻蛉日記』試論 『源氏物語』との類似点と相違点藤本宗利 枕草子の「食」 和歌を相対化する下蕨池田尚隆 里内裏と行幸 一条天皇と藤原道長の距離第Ⅳ章 『源氏物語』の母なる文学史河添房江 『源氏物語』と絵画 最近の研究動向から高木和子 『源氏物語』の成立についての断章 『伊勢物語』との相関から室城秀之 『源氏物語』の引歌 『うつほ物語』の歌との関係から利沢麻美 『源氏物語』と催馬楽第Ⅴ章 『源氏物語』の文学史的遺伝子と生命力金鍾徳 高麗人の予言と作意 観相説話との関わりから木谷眞理子 『源氏物語』の第二の序小嶋菜温子 紅葉賀巻の光源氏と冷泉帝 準拠としての童舞と産養から吉野瑞恵 光源氏の皇統形成 前坊の娘・秋好入内の意味小林正明 須磨絵と旅する男 絵合の理路白石佳和 別れと和歌 玉鬘物語の結末をめぐって李愛淑 「物越し」の男女 光源氏と朧月夜の再会の場を考える柳町時敏 『源氏物語』の「大臣」 八の宮物語の系譜第?章 中世文学史への胎動松岡智之 「心清し」について 『夜の寝覚』帝闖入事件を中心に土方洋一 古代都市のまぼろし 『今昔物語集』の内裏とみやこ小島孝之 中古から中世へ 陸奥・蝦夷地への関心第?章 古代文学史の構想のために鈴木日出男 もう一つの言葉 古代文学史の構想のために

著者略歴

編:鈴木 日出男
1938年青森県生まれ。東京大学大学院博士課程修了。現在、東京大学文学部・大学院人文社会系研究科教授。専攻は古代日本文学。著書に「清少納言と紫式部」「古代和歌の世界」ほか。

ISBN:9784305701992
出版社:笠間書院
判型:A5
ページ数:650ページ
定価:12800円(本体)
発行年月日:1999年03月
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ