上代文学会研究叢書
古事記の現在
編:神野志 隆光
紙版
内容紹介
漢字表現としての把握、作品の全体理解の徹底、古典化の運動の中に見ること、という3つの視点を設定し、「古事記」を通じて伝承の世界を語るのではなく、「古事記」そのものを徹底して問う。
目次
第一章 漢字テキストとしての『古事記』1 【講演】〈日本最古の文字〉 平川南2 よみを探して、ことばを求めて 奥村悦三3 訓詁から見た古事記 内田賢徳4 『古事記』の文体−散文部と歌謡部 山口佳紀第二章 『古事記』の全体理解のために1 【対論】『古事記』の本質をどうとらえるか−神話・祭祀・律令国家 神野志隆光・水林彪・(司会)米谷匡史【補論】古事記における祭祀をめぐって−対論を終えて 米谷匡史2 古事記構想論 毛利正守3 日向三代におけるヒコホホデミ−ワタツミの宮訪問条の主題と構想− 梅田徹第三章 古典化される『古事記』1 「倭訓」の創出−講書の現場から 福田武史2 『日本書紀』から「日本紀」へ 中村啓信3 真福寺本古事記の背景−真福寺聖教体系中の神道文献から 阿部泰郎4 三大考論争−神話的世界像の終焉と『古事記』のあらたな始まり 金沢英之