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1冊でマスター 大学の複素関数

著:石井 俊全

紙版

内容紹介

虚数単位i(i^2=-1)はなんとなく聞いたことがあるでしょうか.理系の方はご存知かもしれません.中学校では実数の範囲でしか2次方程式の解を認めないため,解を持たない2次方程式が存在しますが,高校数学ではこの虚数単位iを導入しているおかげで,実数係数の2次方程式は実数解を持つ場合か虚数解を持つ(実数解を持たない)場合のいずれかになります.しかしながら,虚数単位iの効力はこれではないのです.複素数平面では回転もできます.本書では,虚数単位を扱った複素関数を学びます.実数だけで考えていた窮屈さが,複素関数を学ぶことで自由に開放されたように広がり,自在に数や関数が操れるようになるのです.
複素関数の単位をとりたい方だけではなく,複素数の世界を味わいたい方々にお勧めの1冊です.
別冊の演習問題は,繰り返し解けるように独習用として解答を除いた問題のみのPDFをWebにて配布,また本文解説内でさらに詳細を知りたい方のために「Web補足」としてWebに補足説明を掲載しています.ぜひお役立てください.

目次

はじめに
本書の勉強法
本書のあらすじ

第1章 複素数平面と複素関数
 1 複素数の計算
 2 複素数平面
 3 複素数の関数

第2章 指数関数・三角関数・対数関数
 1 べき級数
 2 指数関数・三角関数
 3 対数関数

第3章 複素関数の微分
 1 微分の定義
 2 正則関数

第4章 複素関数の積分
 1 複素関数の線積分
 2 線積分の具体的な計算
 3 コーシーの積分定理
 コラム コーシーの積分定理の証明
 4 コーシーの積分公式
 5 複素関数の解析関数
 6 リーマン面
 コラム 最大値の原理

第5章 ローラン展開と留数定理
 1 ローラン展開
 2 留数定理
 3 留数定理の実関数の定積分への応用
 コラム 代数学の基本定理

索引
あとがき

注:以下のファイルをWeb補足としてご用意しています.
必要に応じてご活用ください.

Web 補足① アポロニウスの円
Web 補足② 初等幾何による(ⅰ)、(ⅲ)の説明
Web 補足③ マクローリン展開
Web 補足④ 複素数の三角関数と実関数の三角関数が異なる点
Web 補足⑤ f(z)=zn の正則性
Web 補足⑥ べき級数の各項微分
Web 補足⑦ ガウス積分
Web 補足⑧ 偶関数の広義積分
Web 補足⑨ xa*有理関数(a は整数ではない)の定積分

著者略歴

著:石井 俊全
石井 俊全(いしい としあき)
1965年東京生まれ。
東京大学建築学科卒、 東京工業大学数学科
修士課程卒。
「大人のための数学教室 和」講師。
●主な著書
「まずはこの一冊から 意味がわかる」シリーズ
 『線形代数』『統計学』『多変量解析』
 『ガロア理論の頂を踏む』
 『一般相対性理論を一歩一歩数式で理解する』
 (いずれも、ベレ出版)
『1冊でマスター 大学の微分積分』
『1冊でマスター 大学の線形代数』
『1冊でマスター 大学の統計学』
 (いずれも、技術評論社)

ISBN:9784297128784
出版社:技術評論社
判型:A5
ページ数:288ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2022年07月
発売日:2022年07月09日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PBK