日本の財政政策効果
高齢化・労働市場・ジェンダー平等
著:宮本 弘曉
紙版
内容紹介
【日本の経済政策を変える最新実証分析】
日本政府の借金はこの30年間で莫大な額に膨れ上がっており、財政の持続可能性が危惧されている。限られた予算のなかで、効率的にお金をつかう「賢い支出」が必要とされているのだ。本書は、景気刺激策としての財政出動の効果について論じる最先端の経済政策分析。財政乗数の決定要因、高齢化が財政政策の効果(財政乗数)に与える影響、公共投資の効果がインフラストラクチャーガバナンスと労働市場の柔軟性に大きく左右されること、財政政策が雇用・失業に与える影響、そして、ジェンダー平等に与える影響について明らかにする。経済政策の新たな可能性に迫る先端研究。
筆者は過去約十年にわたり、高齢化、ジェンダー平等、労働市場の観点から、財政政策がマクロ経済に与える影響を分析してきた。本書はこれらの研究成果をとりまとめ、財政政策がマクロ経済に与える影響について幅広く検討している。
目次
第1章 問題意識と要約
第I部 財政政策効果の決定要因
第2章 財政乗数
第3章 高齢化と財政政策の効果
第4章 公共投資の効果―インフラガバナンスと労働市場の役割
第5章 財政政策とジェンダー平等
第II部 財政政策と労働市場
第6章 財政政策が労働市場に与える影響
第7章 財政政策と失業変動
第8章 雇用対策としての財政政策