3Dプリンター活用技術検定 公式ガイドブック
改訂版
著:コンピュータ教育振興協会
内容紹介
3Dプリンターを基礎から学べる教科書
さまざまな分野において「3Dプリンター」の活用が広がってきています。しかし、3Dプリンターには複数の異なる造形方法があり、それぞれで使える材料や実現できる形状・精度、使いこなしのノウハウなどに特徴があります。これらを理解し、最適な3Dプリンターを選択して使いこなすことが、活用を成功させるためには不可欠です。
「3Dプリンター活用技術検定試験」(主催:コンピュータ教育振興協会)は、3Dプリンター市場の拡大と普及を目指して2016年に新設された検定試験です。本書は、3Dプリンター活用技術検定試験の受験者のための指導、試験範囲の提示を主目的として作成された唯一の公式ガイドブックの増補改訂版。3Dプリンターに興味を持っている学生や、既にエンジニアとして活躍している社会人にとっても、知識の拡大・拡充、体系的理解に大いに役立つ内容となっています。
具体的には、「3Dプリンターの基礎知識」「3Dプリンターの造形方法」「3Dプリンターの活用」の3つの章に分かれ、3Dプリンターを活用するために身に付けておくべき必須の知識について、幅広く解説しています。巻末には3Dプリンター活用技術検定試験のサンプル問題とその解答を掲載しており、出題形式の傾向を確認できます。
目次
はじめに
一般社団法人コンピューター教育振興協会(ACSP)について
3Dプリンター活用技術検定試験実施概要
スケジュールおよび試験の科目と方法
受験申込から証明書類発行までの流れ
第1章 3Dプリンターの基礎知識
〔1〕3Dプリンターの原理
光造形装置から3Dプリンターへ
断面形状を積み重ねる積層造形
7つの造形方法
従来工法との違い
● 既存工法との組み合わせを考える
● 設計の概念も変わる
3Dプリンターのプロセス
● サポート部とは何か
● 前工程
● 後工程
● メンテナンス
〔2〕3Dプリンターの造形材料
合成樹脂
3Dプリンティングの用途
〔3〕3Dプリンターの造形用データ
3Dデータの取得方法
● モデリングによるデータ取得
● 3Dスキャンによるデータ取得
● フォトグラメトリーによるデータ生成
● Webサイトからのダウンロード
3Dデータのファイル形式
● STL(拡張子「.stl」)
● VRML(拡張子「.wrl」)
● 3DS(拡張子「.3ds」「.max」)
● OBJ(拡張子「.obj」)
● PLY(拡張子「.ply」)
● AMF(拡張子「.amf」)
● 3MF(拡張子「.3mf」)
造形データの設定
● 最適なファイルの解像度
● 造形開始前の設定
〔4〕3Dプリンターの用途
試作品と最終製品
● 試作プロセスも変わる
● 最終製品は単品や少量品で
● 大量生産が課題
● 在庫を持つことが不要に
直接造形か間接造形か
● 型を使う従来工法とのハイブリッド
● 製造装置の1つとして考える
● 使いこなし力を高める
【コーヒーブレーク】期待広がる3Dフードプリンターの世界
「介護食」や「個食」、「災害食」で期待高まる
第2章 3Dプリンターの造形方法
〔1〕 材料押出(熱溶解積層)
造型プロセス
● フィラメント状の樹脂が主流
● 造形ヘッドとテーブルの相対位置を制御
● サポート部を別の材料にすることも可能
● 閉空間の造形が可能
● 金属の材料吐出も
造形材料
●ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)
● PLA(ポリ乳酸)
● 複合化材料
● ASA(アクリロニトリル・スチレン・アクリレート)
● PA(ポリアミド)
● PET(ポリエチレンテレフタレート)
● PC(ポリカーボネート)
● PPSU(ポリフェニルスルホン)
● PEI(ポリエーテルイミド)
前工程と後工程
● サポート部の付加
● 造形の向き
● 制御ソフトウエア(スライサー)
● サポート部の除去と仕上げ
〔2〕 液槽光重合(光造形)
造形プロセス
● 下側から光を当てるタイプも
● 光を走査するか一括露光するか
造形材料
● 高精度モデル用樹脂
● 靱性(機能性モデル用)樹脂
● ABSライク樹脂
● 高透明樹脂
● 透明・耐熱樹脂/高耐熱樹脂
● フィラー入り強化樹脂
● 鋳造用樹脂
● ゴムライク樹脂
前工程と後工程
● サポート部の付加
● 造形の向き
● 材料の取り扱い
● サポート部の除去と仕上げ
〔3〕 材料噴射
造形プロセス
● サポート部は必須
● 材料の混合が可能
造形材料
● 光硬化性樹脂
● ワックス
前工程と後工程
● サポート部の付加
● 造形の向き
● サポート部の除去
● 出力ビューローの活用
〔4〕 結合剤噴射
造形プロセス
● サポート部は不要
● カラー化も可能
造形材料
● 石こう粉末
● 樹脂粉末
● 金属粉末
● セラミック粉末
● 砂
前工程と後工程
● 造形の向きと位置
● サポートの除去
● 仕上げ
● 出力ビューローの活用
〔5〕 粉末床溶融結合
造形プロセス
● 金属ではレーザービームと電子ビーム
造形材料
● 樹脂粉末
● 金属粉末
● セラミック粉末
● 砂
前工程と後工程
● サポート部の付加
● 造形の向きと位置
● サポート部の除去と仕上げ
● 出力ビューローの活用
〔6〕 シート積層
造形プロセス
● フルカラー化も可能
造形材料
● 紙
● アルミテープ
前工程と後工程
● 紙
● 金属
〔7〕 指向性エネルギー堆積
造形プロセス
● サポート部が必要な形状には向かない
造形材料
● 炭化タングステン粉末
● コバルト合金粉末
前工程と後工程
第3章 3Dプリンターの活用
〔1〕 3Dプリンター活用の前準備
活用を始める前に知っておきたい7つのポイント
● 同じ材料でも色や硬度の違いで最適な条件が異なる
● 出力ビューローの活用を考える
● 出力ビューローの納期、造形品質、コストに配慮する
● 寝かせて造形するのが基本
● 小さなものでは配置と最小の厚みに注意
● 複雑なものや大きなものは分割して造形する
● データの上限は100Mバイト程度
〔2〕 3Dプリンターの活用事例
個人で楽しむ
● 日用品を造る
● 心を込めた、福島県の優しいリンゴ
● 子ども向けワークショップ
試作品を内製
● 3Dプリンターによる試作の利点
● 試作を繰り返して理想の「握りやすさ」を追求
● 実物を通じて開発メンバーが認識を共有
● 企業内メイカーズに向けたワークショップ
製造業における治具
● パーソナル3Dプリンターを用いた治具作製
● ロボットアームの先端部などの治具作製
文化財の保護
● デジタル・アーカイブの意義
● 非公開の仏像を3Dデータ化して保存
● レプリカを造形して自由に触れる展示を実現
● 公開された3Dデータから世界中でレプリカを造形
エンターテインメント
● プロモーション動画用に精巧なラジコンカーを造る
● 3D-CGのコンテンツと組み合わせたカスタマイズ造形
最終製品の製造
● 実走行できる自動車のボディを造る
● 伝統工芸と3Dプリンターの融合
● 3Dプリンター製のランプシェード
● 金属3Dプリンター製のリストウォッチ
ISBN:9784296105779
。出版社:日経BP
。判型:B5
。ページ数:184ページ
。定価:3000円(本体)
。発行年月日:2020年05月
。発売日:2020年05月29日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TG。