出版社を探す

習近平政権の権力構造 1人が14億人を統べる理由

著:桃井 裕理
著:日本経済新聞社データビジュアルセンター

紙版

内容紹介

「習氏は様々な場でこう訴えてきた。『100年に1度の変革の時が来ている。世界、時代、歴史の変化がかつてない形で展開する』。その言葉からは、世界がもはやかつて来た道へと帰ることのない『ポイント・オブ・ノーリターン』に立つ覚悟が滲む」(本書おわりに「『中国式鎖国』と世界が迎える『ポイント・オブ・ノーリターン』」から)

 3期目がスタートした中国の習近平政権。米中の対立が深まる中、その毛沢東、韓非子流の統治スタイルはどこに向かうのかーー。習氏の幼少期から文革期の下放時代、福建省、浙江省、上海市などでの地方幹部時代を丹念に追い、習氏のプロファイリングから導き出されるものから、今後を占う。

目次

はじめに 
   習近平氏は2期10年で何を成し遂げたのか  
      ――習氏のプロファイリングからわかること

■第一章 習氏の権力掌握への道――ビジュアルデータ篇
1 党内権力の「破壊と再構築」 
     2 党指導部、習派がずらり
     3 習派形成の軌跡 側近軍団の顔ぶれ 

■第二章 習氏の権力掌握術――その緻密な組織・人事戦略
【作戦1】人民解放軍を掌握せよ
実践「政権は銃口から」――毛沢東伝説を塗り替えた「新・古田会議」
「党軍関係」から「習軍関係」へーー服従を〝制度化〟する
【作戦2】党と政府に君臨せよ
毛沢東流「小組治国」から「党政分離」の終焉へ
「刑と徳」方式による官僚支配――韓非子に学ぶリーダー論
幹部選出プロセスの〝民主〟――「長老排除」と「踏み絵」の発明
(column)得票順位が示した「不都合な真実」
権力の可視化――集団指導体制に終止符を打った儀式とは
プロパガンダが生む正統性――「党の喉と舌」の再強化
【作戦3】警察・司法の刃を握れ
銃、筆、のち刀――警察・司法が震え上がった「整風運動」
【最終作戦】習派で党を埋め尽くせ  
臣はつくるが閥はつくらず
内堀には忠臣、外堀にはプロフェッショナル
(column)習氏が記した「秘書の品格」
政治エリートの排除と共青団の悲劇

■第三章 政治家「習近平」はどうつくられたかーー思想と政策の源流を探る
毛沢東への憧憬――農村で培った大衆路線
(column)習氏がめざす「毛沢東超え」――革命は起きるか?
歴史への傾倒――「紅い遺伝子」の物語
(column)陝西の記憶――習仲勲氏の革命人生
台湾の対岸で築いた絆――強軍思想への道
(column)ある海上民兵の人生
「共同富裕」――成功体験から神話づくりへ
(column)ルポ・集団移住「3つの村の物語」
思想統制の原点――若き習氏がみた民主主義
(column)習氏が真に恐れる「民主主義陰謀論」

■第四章 習近平氏を待つ課題――100年目標の行方
「台湾統一」にどう臨むかーー有事シミュレーションとその課題
(column)「航空ショー」でみた中国の兵器開発最前線
米中半導体戦争の勝者は誰かーー「自強自立」とゲーム・チェンジ
不動産バブルと債務危機――「灰色のサイ」が暴走する日
人口減少が待つ未来――「未富先老」の大国をどう維持するか
 おわりに
   「中国式鎖国」と世界が迎える「ポイント・オブ・ノーリターン」

 付録
   第20期中国共産党中央政治局員ら主要人物26人の全データ
   習氏の軌跡と中華人民共和国の歩み

著者略歴

著:桃井 裕理
日本経済新聞社中国総局長。1995年東京大学経済学部卒、日本経済新聞社入社。電機、商社、自動車、インターネットなど各種業界の企業取材を担当。2003年から4年間、胡錦濤政権下の中国で、本土から台湾、香港にまたがる大中華経済圏や政治・外交分野の取材に従事。2010年から政治記者として民主党、自民党両政権における永田町取材を担当。2021年4月から現職。
著:日本経済新聞社データビジュアルセンター
記者、編集者、デザイナー、エンジニア、フォトグラファーらで構成する編集部門の組織。最新のデジタル技術とデータ、写真、映像、グラフィックスを駆使し、わかりやすく説得力のある報道をめざす。

ISBN:9784296001583
出版社:日経BP
判型:A5
ページ数:410ページ
定価:2600円(本体)
発行年月日:2023年08月
発売日:2023年08月04日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JP
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:NH