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NUDGE 実践 行動経済学 完全版

著:リチャード・セイラー
著:キャス・サンスティーン
訳:遠藤 真美

紙版

内容紹介

「行動経済学」最高の入門書!

ノーベル経済学賞受賞! セイラー教授の代表作が、
「最新の話題」を盛り込み、より「役に立つ」かたちになってリニューアル!

「NUDGE(ナッジ)」とは
親ゾウが、子ゾウの背中を鼻でちょっと押すように、
強制や禁止をせずに
本人の「よりよい選択」を後押しする「使える」経済学!


◆     ◆     ◆
「うっかりしていた」「知らなかった」「じっくり考える時間がなかった」……
実はその「損」、ナッジの活用で防げます!

・ジム、動画、音楽、雑誌……サブスクの「解約し忘れ」はなぜ起こる?
・保険料を得して医療費を安く抑える保険の選び方
・老後の年金を結果的に「一番多く」する方法

・事故多発の道路を安全に変えた「ある工夫」
・地球温暖化防止、ドナー登録……不快感を生まずに参加者を増やす方法は?
・我慢や強制ではなく、「健康的な生活」を“自然に”送るには?
・新型コロナウイルスのワクチン接種、最初から接種率が高かった自治体の手法は?

……

◆     ◆     ◆

◆「賢い人」「思慮深い人」ほど要注意!「ナッジ」で「認知バイアス」を乗り越えよう。

本書ではナッジにまつわる面白い実験を紹介している。たとえば、こんな実験だ。

あなたはいま、視覚認知テストを受けている6人の集団のなかにいる。
大きな白いカードに1本の線が描かれており、それをほかの3本の線と比べて、長さが同じものはどれか答える。3問目まではなにごともなく全員が同じ答えを選ぶ。
しかし、4問目であなた以外の5人が先に同じ線を選ぶのだが、それがどう見てもまちがっている。さあ、今度はあなたが答える番だ。あなたはどうするだろう。

・自分が「正解だ」と思った線を選ぶ
・前の5人が選んだ線を選ぶ

あなたは自信を持って、「正解だ」と思った線を選べるだろうか? 
3問目までと比べて、少しためらいながら答えることになるのではないだろうか?

実は、このシチュエーションで、前の5人が選んだ線を選んでしまう人は珍しくはない。
ナッジとは、他人の回答に惑わされてしまう人間にとって、実に役に立つものなのだ。

目次

第1部 ホモ・エコノミクスとホモ・サピエンス 「なぜナッジは必要か?」
 第1章 バイアスと誤謬――「最適な選択」は人にはむずかしすぎる
 第2章 「誘惑」をはねのけることは、ほんとうにできる?――ナッジの役割
 第3章 「みんなはどうか」が判断基準――みんなと同じことを、私もしたい

第2部 選択アーキテクト(選択設計)のツール ――それぞれの「よりよい選択」を実現する方法
 第4章 ナッジは「いつ」必要か――ナッジを使うべきタイミングのはかり方
 第5章 選択アーキテクチャー 「よい選択」をうながす仕組みをつくる
 第6章 テレビショッピングの魔力――「待ってください、これだけじゃないんです!」
 第7章 スマート・ディスクロージャー――すぐれた情報開示が賢い行動を生む
 第8章 #スラッジ ――ナッジの「悪用」に要注意

第3部 お金のこと
 第9章 「明日はもっとお金を貯めよう」――老後の資金は賢く貯めろ
 第10章 ナッジの効果は永遠に続くのか――スウェーデンのケース
 第11章 「今日はもっと借りてもいいか」――住宅ローンとクレジットカードの甘いささやき
 第12章 「保険」についての考え方――「小さなことにくよくよするな」で万事解決?

第4部 社会を見渡す
 第13章 臓器提供――「すぐれたデフォルトですべて解決」は幻想にすぎない
 第14章 私たちの地球を救え――これからのナッジ活用

第5部 「ナッジの苦情、受け付けます」――「ナッジの問題点」について考える
 第15章 ナッジをめぐる「から騒ぎ」――ナッジは「選択の自由」を実現できるか?

著者略歴

著:リチャード・セイラー
米シカゴ大学経営大学院教授。1945年米ニュージャージー州生まれ。74 年米ロチェスター大学で経済学の博士号取得(Ph.D)。米コーネル大学、米マサチューセッツ工科大学(MIT)経営大学院などを経て95年から現職。行動経済学の研究で、2017 年にノーベル経済学賞を受賞した。著書に『行動経済学の逆襲』(遠藤真美訳、早川書房)、『セイラー教授の行動経済学入門』(篠原勝訳、ダイヤモンド社)などがある。
著:キャス・サンスティーン
ハーバード大学ロースクール教授。専門は憲法、法哲学、行動経済学など多岐におよぶ。1954年生まれ。ハーバード大学ロースクールを修了した後、アメリカ最高裁判所やアメリカ司法省に勤務。81 年よりシカゴ大学ロースクール教授を務め、2008 年より現職。オバマ政権では行政管理予算局の情報政策及び規制政策担当官を務めた。18 年にノルウェー の文化賞、ホルベア賞を受賞。著書に『ナッジで、人を動かす──行動経済学の時代に政策はどうあるべきか』(田総恵子訳、NTT出版)ほか多数、共著に『NOISE──組織はなぜ判断を誤るのか?』(ダニエル・カーネマン、オリヴィエ・シボニー共著、村井章子訳、早川書房)ほか多数がある。

ISBN:9784296000982
出版社:日経BP
判型:A5
ページ数:464ページ
定価:2300円(本体)
発行年月日:2022年11月
発売日:2022年11月18日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KCA