世界のしるし
看板・サイン・造形事典
著:川喜田 煉七郎
内容紹介
底本:『世界の看板 世界の造形とサインのソースブック』(川喜多煉七郎著、造形社、1967年)
特 色
①世界の看板の一大集成 著者が幾度も世界各国を巡り、見て歩き、撮影した数々の看板について、その発生形態から今日の都市生活に象徴される看板(サイン)の姿までを極めて忠実に、克明に記録。人間と都市の間に醸し出される文化について、楽しみながら考察することができる。
②約2500点もの膨大な資料 本書収録の図版は2500点にものぼり、それらを自然現象、動物、植物、家、乗り物、人間、宗教・伝説などに分類。各国の歴史的・風土的・民族的な背景を見て取ることが出来る。
③各国風土のにおいを感じる看板の数々 収録された看板は、博物館に保存されているような形ではなく、実際の市民社会の中で息づき、人々の生活感情を映し出してているものである。看板から、人間の深い知恵と民族の伝統、社会的なつながりをもっていることを感じられる。
看板のデザインには、伝統や土地や民族の歴史や習慣や宗教が根強く関係してくる。その形式ばかりでなく、その土地自身の材料も影響して、作り方までその跡を微妙に残し、新しいモダンな伝統にまでそれを作りかえてゆく。そしてそこから最もアナロジカルに最も現実的に新しい個性と新しい都市性が生れてゆくのである。……
本書「プロローグ」より抜粋
主要目次
A 自然現象 太陽と月/月と星
B 動物 蛇―生きた生活と技術のシンボル/勝利者ライオン/犬と狼/猫と鼠
C 鳥 鷹と鷲とフェニックス/孔雀と鳳凰/図案化した鳥
D 魚 魚以前の魚の看板/海産物店の店先から/波に魚・はねている魚
E 虫 とんでいる虫・せみと蝶/蜂と蜂の巣
F 植物 花の看板/茶とその表現/野菜と果物/農業と看板
G 街・家・扉・ハンドル・額 家の看板/道の上の看板/光のリズム―装飾のリズム/ノッカー・ハンドルの創作
H 道具・機械・器物 イスの看板・時計の看板/鍛冶屋と蹄鉄屋/壺の形
I 車と船と伝達 飛行/馬車/汽車/自動車
J 顔と手と足 マスク(仮面)/目の魔力と近代性/美しい手
K 刺青とアクセサリー・化粧美容・おしゃれ衣料 化粧品/美容と理容/アクセサリーとその看板
L 人間と性愛・擬人化 人とその生活/だまし絵/商品や道具の擬人化
M レジャーとたべもの たべものの看板/飲む看板/レジャーの店
N 王冠・武器・兵士・僧侶 王冠/陳列された武器/弓と矢と兵士
O 宗教と祭と伝説(ロマン)・紋章 ポピュラーな神と仏/祭と看板/天使と悪魔/街の中の神々の像
P 粋のデザイン