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後期古典派～初期ロマン派の時代に活躍したフランツ・ダンツィが、その晩年に残した木管五重奏の名作。木管五重奏の主要レパートリーとしては貴重な国内版となる。Op.56-1は、９曲あるダンツィの木管五重奏曲のなかでも特に演奏機会の多い作品。古典的な様式と伸びやかな旋律、響きの美しさが特長で、５つの楽器の個性が溶けあい時に主張しあいながら紡がれる木管五重奏の持つ魅力を存分に味わえる。技術的な難易度は高くなく、演奏時間も13分程度と比較的短めで取り組みやすい曲でもある。
監修はソロ、オーケストラ、室内楽、古楽器奏者とさまざまに活躍を続けるホルン奏者・福川伸陽氏。楽譜は初版を含む複数の資料を参照した音楽之友社オリジナル版。音の誤りと考えられる箇所には、注釈を付したうえで必要に応じて修正を行っている。スコアとパート譜をセットとし、パート譜の楽章途中での譜めくりをなくすなど実用性にもこだわった。

Ⅰ.Allegretto
Ⅱ.Andante con moto
Ⅲ.Menuetto, Allegretto
Ⅳ.Allegretto

作曲：ダンツィ
ベートーヴェンと同時期のドイツの作曲家・チェロ奏者・指揮者。チェリストとして出発した後、舞台音楽の作曲・指揮、各地の宮廷楽長などを歴任。マンハイム、ミュンヘン、シュトゥットガルト、カールスルーエなどで活躍した。ダンツィの職務上、作曲家としては舞台音楽が中心となるが、今日では特に木管五重奏曲で知られ、管楽器の特性をいかした作品はこの編成の古典として重要なレパートリーとなっている。

監：福川 伸陽
世界的に活躍するホルン奏者。NHK交響楽団首席奏者としてオーケストラ界にも貢献。第77回日本音楽コンクール ホルン部門第１位。
ソリストとして、パドヴァ・ヴェネト管弦楽団、NHK交響楽団、京都市交響楽団、東京交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、大阪交響楽団、広島交響楽団他と共演。国内外の指揮者の信頼も篤く、ファビオ・ルイージ、クリストフ・エッシェンバッハをはじめ、故ビエロフラーヴェクなどの絶賛を受ける。その演奏は多くの作曲家にインスピレーションを与え、福川伸陽のために書かれた作品は数十曲に及ぶ。
室内楽では、ライナー・キュッヒル、ハインツ・ホリガーなどと共演するほか、木管アンサンブル「東京六人組」などで積極的な活動を展開。ピリオド楽器での演奏にも力を注ぎ、バロックホルンやナチュラルホルンの演奏者として、室内楽や録音においても欠かせない奏者となっている。国際ホルン協会評議員、東京音楽大学准教授。