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研究双書 614

「後発性」のポリティクス

資源・環境政策の形成過程

編:寺尾 忠能

紙版

内容紹介

後発の公共政策である資源・環境政策の後発国での形成を「二つの後発性」と捉え、東・東南アジア諸国と先進国を事例に「後発性」が政策形成過程に与える影響を考察する。

目次

まえがき

序章 経済開発過程における資源・環境政策の形成-二つの「後発性」がもたらすもの- / 寺尾 忠能
 はじめに
 第1節 経済開発過程における「資源」と「環境」
 第2節 公共政策としての「後発性」と経済開発における「後発性」
 第3節 時間という要素と政策形成過程
 第4節 経済開発の「後発性」と国際的相互作用
 第5節 公共政策としての「後発性」の克服-政策統合と総合調整-
 第6節 環境政策の政策形成
 第7節 災害・事故・事件と政策形成
 第8節 「後発性」をもたらすもの-再び「資源」と「環境」をめぐって-
 第9節 本書の構成と論点

第1章 中国における環境災害対応と環境政策の展開-2005年松花江汚染事故をめぐって- / 大塚 健司
 はじめに
 第1節 2005年松花江汚染事件の経緯
 第2節 環境安全リスク管理への対応
 第3節 突発的事件への緊急対応体制の強化
 第4節 幹部問責制度の強化
 おわりに

第2章 「 タイ2011年大洪水」後の水資源管理組織改革-新たな水資源管理組織と「局支配」- / 船津 鶴代
 はじめに
 第1節 先行研究と問題設定
 第2節 「タイ2011年大洪水」前後の水資源管理組織
 第3節 即時・短期治水計画とその実施
 第4節 長期治水総合計画と水資源管理組織(NWPFC)への政治的逆風
 おわりに

第3章 カンボジア・トンレサップ湖における漁業と政治-2012年漁区システム完全撤廃の社会科学的評価- / 佐藤 仁
 はじめに
 第1節 東南アジアの自然と政治-近年の研究動向-
 第2節 区画漁業システムの発祥と領域化の展開
 第3節 脱領域化への政策変更とその説明
 第4節 結論

第4章 台湾における水質保全政策の形成過程-1974年水汚染防治法を中心に- / 寺尾 忠能
 はじめに
 第1節 台湾における産業化の進展と環境政策の形成
 第2節 水質保全政策の形成
 第3節 水汚染防治法の立法化、改正とその問題点
 第4節 水汚染防治法の立法過程の政治経済学的分析
 第5節 まとめと考察-権威主義体制下における資源・環境政策の形成とその限界-

第5章 ドイツ容器包装令の成立過程-公聴会をめぐる動向を中心に- / 喜多川 進
 はじめに
 第1節 公聴会に至る容器包装令草案をめぐる議論
 第2節 公聴会の概要
 第3節 デュアル・システム賛成団体の見解
 第4節 デュアル・システム反対団体の見解
 第5節 公聴会後の草案修正をめぐる動向
 おわりに
 資料

第6章 ニューディールと保全行政組織改革-改革はいかにして始まり、そして頓挫したのか?- / 及川 敬貴
 はじめに
 第1節 問題の所在と本章のねらい
 第2節 保全とニューディールの課題-全体像の把握と政策調整-
 第3節 権限の分散を許容しながらの調整-国家資源計画評議会-
 第4節 権限の統合-保全省設置構想-
 おわりに

著者略歴

編:寺尾 忠能
寺尾 忠能 アジア経済研究所新領域研究センター
大塚 健司 アジア経済研究所新領域研究センター
船津 鶴代 アジア経済研究所新領域研究センター
佐藤 仁  東京大学東洋文化研究所
喜多川 進 山梨大学生命環境学部
及川 敬貴 横浜国立大学大学院環境情報研究院

ISBN:9784258046140
出版社:アジア経済研究所
判型:A5
ページ数:223ページ
定価:2700円(本体)
発行年月日:2015年02月
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TQ