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沈黙する歴史

著:西尾幹二

紙版

内容紹介

歴史の無言の語りかけに耳をすませば、日本人の心の深淵が見えてくる。

歴史の呪縛から日本を解放し、自立自存への道を提示した名著復活!
 
 歴史には、われわれにはまだ見えていない隠された部分がある――。「敗戦」からすでに半世紀有余、にもかかわらず日本は依然として自己蔑視とあなた任せの敗北主義に覆われたままだ。われわれは戦争に敗れただけでなく、戦後における戦争、言葉の戦争に敗れたのではないか。勝敗において敗れただけでなく、政治においても敗れた――このことが「敗戦」の本当の意味ではないのか。
 戦勝国の言うことを聞いているような顔をして実際には言うことを聞かないナショナル・プライドの発揮の仕方というものがある。日本人はその手段として「平和憲法」と「経済力」を利用したのではなかったか。どちらもがルサンチマンのはけ口であったがゆえに、自己制御が不可能なまでに強力でありつづけ、今も強力である。これあるがゆえに日本人は自分で自分を不自由にし、自分で自分を苦しめ、あえいでいる。
 われわれはそろそろこの桎梏から自己自身を解放する必要があるだろう。歴史の無言の語りかけに耳目を開くべきときではないのか。
 先の大戦から戦後史にいたる呪縛のメカニズムを解き明かし、自立自存の日本人像を提示した渾身の論考。

著者略歴

著:西尾幹二
昭和10(1935)年、東京生まれ。東京大学文学部独文科卒。同大学大学院文学修士。文学博士。電気通信大学名誉教授。専攻はドイツ思想と歴史哲学。保守主義を代表する言論知識人として活躍。新しい歴史教科書をつくる会初代会長。平成6年第10回正論大賞。平成27年瑞宝中受章を受章。著書に『ヨーロッパの個人主義』『ニーチェとの対話』(講談社現代新書)、『異なる悲劇 日本とドイツ』『江戸のダイナミズム』(文藝春秋)、『歴史を裁く愚かさ』(PHP研究所)、『国民の歴史』(扶桑社)、『GHQ焚書図書開封1~12』『保守の真贋』『日本の希望』(徳間書店)など。2011年秋より『西尾幹二全集』(全22巻)を国書刊行会から刊行中。

ISBN:9784198654818
出版社:徳間書店
判型:新書
ページ数:264ページ
定価:1000円(本体)
発行年月日:2022年06月
発売日:2022年06月29日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB