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文春学藝ライブラリー

指導者とは

著:リチャード・ニクソン
訳:徳岡 孝夫

紙版

内容紹介

アメリカ大統領を筆頭に、世界各国の最高権力者が退任後に回想録をよく残します。その多くは自己賛美に終始するものもですが、本書はそうした単なるメモワールとは違います。初めての大統領選挙での敗北、悲願だった最高権力の座を掴み取るも、ウォーターゲート事件で失脚――ニクソンほど、権力の栄光と挫折を知り尽くした人物は、20世紀には見当たりません。そのニクソンが、じかに対面し、交渉し、そして親交を結んだ同時代のリーダーたちが、英国首相・チャーチル、仏大統領・ドゴール、ソ連のフルシチョフ、さらにはマッカーサー、周恩来、アデナウアー、そして吉田茂でした。
そうした世界の傑物たちの姿を描きながら、ニクソンが導き出す「リーダーの条件」は説得力に満ち溢れています。
本書の413頁以下に「指導者の資格について」は必読です。こんなくだりもあります。
〈・指導者は、いつ闘うべきか、いつ退くべきか、いつ初心を貫くべきか、いつ妥協すべきか、いつ発言し、いつ沈黙すべきかを知らねばならない。
・指導者は、広い視野を持つと同時に、明確な戦略と目標とビジョンを持たねばならない。
・指導者は、全体を眺め、一つの決断と他の決断との関係を見極めなければならない。
・指導者は、先頭に立つべきだが、支持者が随いて来れないほど先頭であってはならない。〉
これは、政治の世界のみならず、あらゆる世界に通用するメッセージではないでしょうか。1986年に小社より刊行された単行本は広く話題を集めましたが、長らく絶版状態にありました。今回、満を持しての復刊です。

ISBN:9784168130090
出版社:文藝春秋
判型:文庫
ページ数:480ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2013年12月
発売日:2013年12月18日