まえがき 戦後思想の二つの頂点 大澤真幸
I 『世界史の構造』への軌跡、そして「日本論」へ
──柄谷行人 × 大澤真幸
イントロダクション 交換様式論とは何か 大澤真幸
生産様式論の限界
交換様式の四つのタイプ
交換様式から世界システムを見る
原遊動性Uの回帰
1 言葉への独特の感覚
2 漱石のどこに注目したのか?
3 「ルネサンス的」文学とは何か?
『アレクサンドリア・カルテット』の新解釈
ドストエフスキーは近代文学ではない
4 なぜ「交換」に注目するのか?
宇野弘蔵の導き
「交換を強いる力」とは何か?
剰余価値への新たな視点
空間的移動へのこだわり
5 世界最先端とのシンクロ
6 コミュニケーションの非対称モデル
7 ヒーローはソクラテス
8 交換様式Dとは何か?
来たるべき共産主義
交換様式から歴史を見る
9 回帰する貴族
10 「強迫的な力」はどこから来るのか?
移動への愛着
11 単独性と普遍性はどう結びつくのか?
12 翻訳されることを前提に書く
13 「日本」はどういう意味を持つのか?
日本国憲法の意義
日本の独自性は「亜周辺性」にあり
柳田国男の「日本列島」観
日本は「亜周辺性」の意義を再考せよ
II 近代の矛盾と人間の未来
──見田宗介 × 大澤真幸
イントロダクション 「価値の四象限」と「気流の鳴る音」 大澤真幸
快楽原理の二つのジレンマ
「気流の鳴る音」の用語について
愚をコントロールする
「意味への疎外」からの解放
1 森羅万象の空──戦争体験の最後の世代
2 社会学というアリーナ──『価値意識の理論』(一九六六年)
3 〈人生のひしめき〉としての社会──『まなざしの地獄』(一九七三年)
永山則夫からの返信
データから実存を読む
4 全共闘との論争──真木悠介というペンネーム
5 マルクスをどうのりこえるか──『現代社会の存立構造』(一九七七年)
6 〈外部〉への旅──『気流の鳴る音』(一九七七年)
7 生と死のニヒリズムをどうのりこえるか──『時間の比較社会学』(一九八一年)
封印された二つの根本問題
「コヘーレス」を手掛かりに
8 りんごの果汁──『宮沢賢治』(一九八四年)
「岩手山」の衝撃
「春と修羅」という反転
9 愛とエゴイズムの生命社会学──『自我の起原』(一九九三年)
生命の全歴史の探求
生命体にインストールされた共生の装置
10 情報化と消費化の可能性と限界──『現代社会の理論』(一九九六年)
11 人類史的な転回──『現代社会はどこに向かうか』(二〇一八年)
人類史のS字曲線
「高原の見晴らし」を切り開く
12 軸の時代Ⅰの思想/軸の時代Ⅱの思想
信仰・道徳に頼らずに二つの課題を解く
「有限性」を生きる「共存」の思想へ
補 「戦後」について。「日本」について
終章 交響するD──大澤真幸
1 交響するD
まったく新しくかつ最も古い交換様式
交響圏とルール圏
集列体から連合体へ
交響するD
2 意味の呪縛
自然──輝く闇としての
時間のニヒリズム
意味という病
3 〈他者〉の二重の謎
イソノミア
イオニアの自然哲学
ソクラテスの産婆術
自由の条件としての〈他者〉の二重の謎
4 根をもつことと翼をもつことの一致
柄谷行人 年譜
見田宗介 年譜
あとがき 柄谷行人 見田宗介 大澤真幸