序 論
第1章 判任文官とはだれか?
はじめに/1 「官吏」とは/2 判任文官層の把握/おわりに
第2章 文官任用の一般規則の制定と展開
Ⅰ「文官試験試補及見習規則」発効に至る諸案の検討
1 検討のはじまり(1881~83年)/2 「奏判任官撰挙規則」および「文官候補生規則」(1884年)/3 官報号外「選叙ノ事」(1885年)/4 勅令第37号の発効まで(1886~87年)
Ⅱ「文官試験試補及見習規則」発効後の展開展開
1 「文官試験試補及見習規則」/2「文官任用令」/おわりに
第3章 学歴資格の認定――誰が中等教育卒業程度卒業程度と認められたか?
はじめに/1 勅令第37号/2 1893年「文官任用令」/3 1899年「公立私立学校認定ニ関スル規則」と私立学校/4 1913年「文官任用令」以後の動向/おわりに
第4章 判任文官に求められた学力――草創期文官普通試験の出題傾向から
はじめに/1 勅令第37号以前に想定された学力のカテゴリー/2 文官試験局が示した学力カテゴリーのモデル/3 各官庁が定めた普通試験科目と内容/4 実施された文官普通試験において求められた学力のカテゴリー/5 出題の傾向/6 実施された文官普通試験の結果/おわりに
第5章 特別任用1―陸軍下士からの判任文官への任用
はじめに/1 陸軍下士から判任文官への任用に関わる制度/2 任用実態/3 任用動態の背景と具体相/おわりに
第6章 「技術官」の成立、任用、キャリア
Ⅰ 明治前期における技術官制の成立
はじめに/1 技術官制のはじまり/2 技術官制の消長と展開/3 技術官制の拡大への兆候/4内閣制直後における官員一般からの技術官の分離/おわりに
Ⅱ 特別任用2―判任技術官の銓衡任用とキャリア形成
はじめに/1 技術官への銓衡任用の導入/2 地方官庁における技術者/3 任用までの経歴―埼玉県および鳥取県/4 技手からのキャリア形成/5 技手を養成する教育研修/おわりに
第7章 特別任用3―警察官吏の任用と求められた能力
はじめに/1 勅令第37号制定以前の任用制度/2 勅令第37号制定以降の任用経路の広がりと変遷/3 任用経路と内部昇進の自律化/4 内部昇進に求められた能力の内容と水準/おわりに
第8章 特別任用4―森林官吏の任用と求められた能力
はじめに/1 森林行政の未確立と特別任用の導入/2 森林行政の確立・専門化と任用制度の変容/3 任用後の昇進と昇給/おわりに
第9章 特別任用5―官吏たりうる資格の限界――最低俸給額未満の判任文官の詮衡任用
はじめに/1 勅令の変遷/2 履歴史料からみる任用者の経歴/3 初任者の詮衡基準/4 質的担保と量的充足との間のせめぎあいとその推移/おわりに
結 論
付録資料 判任文官に関わる主な規則