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全集

ワイド版 マンガ日本の古典 31 春色梅児誉美

著:酒井 美羽

紙版

内容紹介

色男丹次郎をめぐり許嫁と芸者が繰り広げる恋と笑いと人情の万華鏡。当時の女性読者を熱中させた為永春水の人情本を漫画化。

『春色梅児誉美』は為永春水(寛政二~天保一四[西暦一七九〇~一八四三]年)の手になる人情本で、刊行は天保三~四(一八三二~三三)年。四編一二冊。鎌倉恋ヶ窪(新吉原)の遊女屋唐琴屋の養子で色男の丹次郎をめぐり、許嫁と女芸者が繰り広げる恋の意気地と達引を描く。写実的に描かれた江戸下町の自然風俗を背景に、会話を主とした場面を次々と積み重ねてゆく物語構成、抒情的で濃厚な男女交情の描写により大衆をおおいに惹きつけた。また、自らの意志で行動する作中の女性たちは、若い女性読者の羨望と共感を呼び、女性の生き方を描いた最初の江戸小説と評されている。

 この作品を刊行した後、春水は『春色辰巳園』『春色恵の花』『春色英対暖語』『春色梅美婦禰』と続編を書き継ぎ、天保一二(一八四一)年に「梅児誉美」シリーズは完結した。

著者略歴

著:酒井 美羽
酒井美羽

1956年(昭和31年)、熊本市生まれの湘南育ち。1977年、白泉社が主催する新人漫画賞、第2回アテナ大賞に応募した『ロリオン』が第二席に入賞。78年『2年の春』でデビューする。以後『秋のカレンダー』『新キャベツ物語』『セーラーブルーの青春』などの連載作品を発表。82年に連載を開始した『ミルクタイムにささやいて』は、子育てをテーマに12歳年上の日本画家と結婚した幼妻ミミの奮闘を描き、少女漫画に新境地を拓く。そのほかの作品に『その男、ワガママにつき』『¥十億少女』『抱いて抱いて抱いて ダーリン』などがある。

ISBN:9784124036299
出版社:中央公論新社
判型:A5
ページ数:274ページ
定価:1500円(本体)
発行年月日:2021年07月
発売日:2021年07月08日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:XA