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中公文庫 チ3-3

狩場の悲劇

著:チェーホフ
訳:原 卓也

紙版

内容紹介

「五月の朝に詩的な《赤いワンピースの娘》に出会って以来、おびただしい数の犠牲者が、人世の暗い波間に、永久に姿を消し去った」……モスクワの新聞社へ持ち込まれた、ある殺人事件をめぐる小説原稿。そのテクストの裏に隠された「おそろしい秘密」、そして読み終えてなお残り続ける「もう一つの謎」とは何か? 近代ロシア文学を代表する作家が若き日に書いた唯一の長篇小説にして、世界ミステリ史上に残る大トリックを駆使した恋愛心理物語の古典。巻末に、江戸川乱歩による評論を収録。

江戸川乱歩――「チェーホフともあろう作家の、こういう作品を知らなかったのだから、われわれの全く気づかない面白い探偵小説が、まだどれほど残っているかと思うと楽しくなる。……探偵小説のトリックの歴史から考えても、相当大きな意味を持つ」。

解説・佐々木敦

著者略歴

著:チェーホフ
一八六〇年、ロシア生まれ。モスクワ大学医学部を卒業し医師となる。一九〇四年、療養中のドイツで死去するまで、四四年の短い生涯に、数多くの名作を残す。若い頃、ユーモア短篇「ユモレスカ」を多く手がけた。代表作に、戯曲『かもめ』、『三人姉妹』、『ワーニャ伯父さん』、『桜の園』、小説『退屈な話』『六号病棟』『かわいい女』『犬を連れた奥さん』、ノンフィクション『サハリン島』など。
訳:原 卓也
一九三〇~二〇〇四年。ロシア文学者。東京外国語大学学長などを歴任。ドストエフスキー、トルストイ、ショーロホフなど訳業多数。中央公論社版『チェーホフ全集』の訳者の一人。著書に『チェーホフ研究』など。

ISBN:9784122072244
出版社:中央公論新社
判型:文庫
ページ数:368ページ
定価:1000円(本体)
発行年月日:2022年06月
発売日:2022年06月22日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB