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中公文庫

都鄙問答

著:石田 梅岩
訳:加藤 周一

紙版

内容紹介

文字がなかった時代にも、天の道理があった。文字を知るのではなく「心」を知れ。商人出身の梅岩は、神道・仏道、孔孟老荘を独自に解釈し、倹約と倫理を重んじる商人道を説いた。その思想は制度や階層を超えて、やがては武士にも「心学」として受け入れられる。本書は問答形式をとっており、生産と流通の社会的役割を評価し、利益追求の正当性を説いた画期的な 思想を読み解くことができる。

著者略歴

著:石田 梅岩
一六八五(貞享二)年、丹波桑田郡(京都府)生まれ。江戸時代中期の心学者。丹波桑田郡(京都府)出身。石門心学の祖。農家に生まれ,京都の商家ではたらきながら独学,のち小栗了雲に師事、京都車屋町に塾をひらく。神・仏・儒・老荘をとりいれたその教えは、人間価値の平等や商人の利潤の正当性をみとめていたため、町人を中心として庶民の間にひろまった。門下に手島堵庵。著作に「斉家論」など。一七四四(延享一)年没。
訳:加藤 周一
一九一九(大正八)年、東京生まれ。東京帝大医学部在学中から、押韻定型詩の文学運動「マチネ・ポエティク」に参加。一九四七(昭和二二)年福永武彦,中村真一郎と「一九四六―文学的考察」を発表、一九五一(昭和二六)年医学留学生として渡仏し西欧文化を体験。五五(昭和三三)年医業を廃し、以後、各国の大学で日本の文学や美術を講じつつ、文学,美術,政治などの評論活動をおこなう。七五(昭和五〇)年『日本文学史序説』で大仏次郎賞。八八(昭和六三)年東京都立中央図書館長。九二(平成四)年立命館大学国際平和ミュージアム館長。九四(平成六)年朝日賞。二〇〇八(平成二〇)年没。著書に評論「雑種文化」、自伝的回想録『羊の歌』、小説『運命』、『加藤周一著作集』(全二四巻)など。

ISBN:9784122070561
出版社:中央公論新社
判型:文庫
ページ数:232ページ
定価:880円(本体)
発行年月日:2021年04月
発売日:2021年04月18日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QDX