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中公新書ラクレ 790

シニア右翼

日本の中高年はなぜ右傾化するのか

著:古谷経衡

紙版

内容紹介

久しぶりに実家に帰ると、穏健だった親が急に政治に目覚め、YouTubeで右傾的番組の視聴者になり、保守系論壇誌の定期購読者になっていた――。こんな事例があなたの隣りで起きているかもしれない。中にはネット上でのヘイトが昂じて逮捕・裁判の事例が頻発している。そのほとんどが50歳以上の「シニア右翼」なのである。若者を導くべきシニア像は今は昔だ。これは決して一過性の社会現象ではなく、戦前・戦後史が生みだした「鬼っ子」と呼ぶべきものであることが、歴史に通暁した著者の手により明らかにされる。
そして、導火線に一気に火を付けたのは、ネット動画という一撃である。シニア層はネットへの接触歴がこれまで未熟だったことから、リテラシーがきわめて低く、デマや陰謀論に騙されやすい。そんな実態を近年のネット技術史から読み解く。 かつて右翼と「同じ釜の飯を食っていた」鬼才の著者だからこそ、内側から見た右翼の実像をまじえながら論じる。

■本書の目次■

プロローグ――右傾の主役

第一章 右傾の内側―息を吐くように差別をするシニアたち
コラム1 宗教保守とは何か

第二章 右翼とは何か、ネット右翼とは何か
コラム2 ネット右翼の総人口を見積もる

第三章 右傾の門戸――ネットの波に遅れて乗ってきた人々
コラム3 保守と右翼

第四章 未完の戦後民主主義
コラム4 異形の「親米保守」

終章 老人と子供

エピローグ――この国に「真の民主主義」は可能か

著者略歴

著:古谷経衡
古谷経衡
1982年札幌市生まれ。作家・評論家。立命館大学文学部史学科(日本史)卒業。(社)令和政治社会問題研究所所長。(社)日本ペンクラブ正会員。NPO法人江東映像文化振興事業団理事長。インターネットとネット保守、若者論、社会、政治、サブカルチャーなど幅広いテーマで執筆評論活動を行う一方、TOKYO FMやRKBラジオで番組コメンテイターも担当。『左翼も右翼もウソばかり』『日本を蝕む「極論」の正体』(ともに新潮新書)、『毒親と絶縁する』(集英社新書)、 『敗軍の名将』(幻冬舎新書)など著書多数。

ISBN:9784121507907
出版社:中央公論新社
判型:新書
ページ数:288ページ
定価:900円(本体)
発行年月日:2023年03月
発売日:2023年03月08日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB