目次
はじめに
第一章 レコンキスタ前史
1 地理環境とたどった歴史との深い関係
東西南北の結節点 分断され多様性を育んだ場
2 古代ヒスパニアの歴史
諸民族のるつぼ 属州ヒスパニア 西ゴート王国の盛衰
第二章 アンダルスの成立と後ウマイヤ朝の栄華
1 イベリア半島の征服
「フリアン伝承」――西ゴート王国社会の分断を示すエピソード イベリア半島への上陸と征服
2 アンダルスの成立
征服か併合か?――アンダルス成立をめぐる議論① アラブ化・イスラーム化の是非――アンダルス成立をめぐる議論② アンダルスの社会構造
3 後ウマイヤ朝治下のアンダルス
後ウマイヤ朝の成立 アンダルス社会の変容(8 世紀~9世紀) コルドバの殉教運動――9世紀後半の社会的危機① 反乱の激化――9世紀後半の社会的危機② 辺境領域の動向
4 カリフ制の成立
アンダルス社会の成熟 寛容の理想郷? 最盛期の明暗
第三章 レコンキスタのはじまり
1 アストゥリアス王国の成立
レコンキスタとは? コバドンガの戦い 脱神話化
2 レコンキスタの開始?
もうひとつの神話:「ノーマンズ・ランド」? アストゥリアス王国の拡大聖ヤコブ崇敬とレコンキスタ・イデオロギー
3 様々な「レコンキスタ」のあり方
イベリア半島北東部の特徴 ナバーラ王国のはじまり カタルーニャ諸伯領のはじまり キリスト教諸国の確立と分岐
第四章 力関係の逆転
1 マクロ視点から見た11世紀 西欧世界と地中海
社会的な「革命」 経済的な「革命」 宗教的な「革命」
2 第一次ターイファ時代
後ウマイヤ朝の滅亡 ターイファ諸国の「栄華」 歪な蜜月関係――パーリア制
3 キリスト教諸国の優位
カスティーリャ・レオン王の覇権 皇帝を名乗ったアルフォンソ六世 合従連衡――半島北東部情勢
4 劇的な状況変化
それぞれの思惑――ターイファ諸国とアルフォンソ六世 直接支配の開始 ムラービト朝の介入
第五章 一進一退の攻防
1 キリスト教諸国の混乱と成長
カスティーリャ・レオンの危機 カスティーリャ・レオンの再編 エブロ川流域の征服活動 アラゴン連合王国の成立
2 風雲急を告げるマグリブ・アンダルス
ムラービト朝の滅亡 第二次ターイファ時代と征服活動の進展 ムワッヒド朝の登壇とアルフォンソ七世の夢
3 「私利私欲」で動く国々
ムワッヒド朝によるアンダルス支配 相争うキリスト教諸王国 ラス・ナバス会戦
4 「大レコンキスタ」
第三次ターイファ時代 キリスト教諸国の動静 カスティーリャによる大征服 レコンキスタの完了?
第六章 征服活動の実態
1 「宗教戦争」をめぐる本音と建て前
非妥協的な宗教対立の時代? 戦争の実態 征服が成功した時期の短さ
2 征服活動
強襲――征服活動の類型① 強制退去――征服活動の類型② 残留許可――征服活動の類型③ 征服がもたらした結果――トレードの事例より
3 共存の実態
モサラベ ムデハル ユダヤ人 「寛容」なのか? 「不寛容」なのか?――二者択一では把握できない実態
第七章 中世後期の危機
1 「フロンティアの閉鎖」
ナスル朝グラナダ――最後のアンダルス王朝 アルフォンソ一〇 世時代の明暗 中世後期の危機とその影響
2 「海峡戦争」
ジブラルタル海峡に目を向ける諸勢力 目まぐるしく展開する合従連衡 アルフォンソ一一世の征服活動 「海峡戦争」の終結
3 危機の本格的到来
トラスタマラ内戦 カスティーリャ王国の立て直し アラゴン連合王国の地中海進出と停滞 ナスル朝の最盛期――奇妙なねじれ現象
第八章 アンダルスの黄昏
1 攻勢に出るカスティーリャ王国
第一次グラナダ戦役――摂政フェルナンドの時代 第二次グラナダ戦役 フアン二世の時代 第三次グラナダ戦役――エンリケ四世の時代
2 近隣諸国と辺境の動向
ナスル朝の衰退とカスティーリャの介入 アラゴン連合王国とその他の諸国カスティーリャ辺境領域
3 「グラナダ戦争」(1482~1492年)
歴史の偶然か必然か?――カトリック両王の登壇 対異教徒認識の変化? ナスル朝の滅亡
終章 レコンキスタの終わり?
中世と近世のはざまにあった戦争 同化か移住か 「近世化」――ナスル朝滅亡後の急激な変化 モリスコ問題を経て、いま
あとがき
本書に関連する時代の略年表
参考文献
事項索引
人名索引