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中公新書 2724

行動経済学の処方箋

働き方から日常生活の悩みまで

著:大竹文雄

紙版

内容紹介

日々の暮らしや仕事の課題、さらには大きな社会問題まで、その解決策は行動経済学にある。急速に普及したテレワークで生産性を上げるには? 新型コロナウイルス感染症対策にはどんな政策が有効? 経済活動と感染対策を両立させるには? 最低賃金の引き上げは所得向上につながる? 私たちが何気なくしがちな“非”合理なクセに、そして目の前に立ちはだかる大小の課題に、最新の経済理論を駆使して処方箋を示す。

『行動経済学の処方箋』目次

プロローグ 経済学の常識、世間の常識 

第一章 日常生活に効く行動経済学
1 「得る喜び」より2倍大きい「失う悲しみ」
2 宿題を先延ばしにしないためには?
3 よい生活のためにも初期設定が重要
4 「みんながしている」の効果
5 行動経済学で考えるお金の貯め方
6 人は誰にも偏見がある
7 悩んだときは変化を選ぶ
8 合理的な選択へと導くナッジ

第二章 行動経済学で考える感染対策
1 新型コロナウイルスへの10の手段
2 自粛していない人がこんなにいます
3 ワクチンの接種意向は高い
4 社会を縛る思い込み
5 古くて新しい生活様式
6 床に描いた矢印の効能

第三章 感染対策と経済活動の両立
1 ワクチン接種が行き渡った後の社会
2 なぜ日本人は社会経済活動よりも感染対策重視なのか
3 指数関数を直感する「70の法則」

第四章 テレワークと生産性
1 コロナ禍で進んだテレワーク
2 同僚と働くピア効果
3 オンライン会議は創造性を阻害する?
4 体罰を有効と思い違うワケ
5 仕事の「意味」と労働意欲
6 行動計画が悩みを減らす
7 良い人間関係が生産性を高める
8 ボトルネックを見つける

第五章 市場原理とミスマッチ
1 品不足になったマスクとトイレットペーパー
2 ラグビー日本代表と外国人労働者
3 誤解されてきたアダム・スミスの「国富論」
4 最低賃金の引き上げは所得向上につながるか?
5 企業の社会的責任と従業員の採用
6 「もったいない」で損してない?
7 贈り物の経済学
8 税制がもたらす意外な変化

第六章 人文・社会科学の意味
1 社会の役に立たない学問なのか?
2 反事実的思考力を養う
3 神社・お寺の近所で育つと

エピローグ 経済学は役に立つ 

参考文献

著者略歴

著:大竹文雄
大竹文雄
1961年(昭和38年)京都府生まれ.83年京都大学経済学部卒業.85年,大阪大学大学院経済学研究科博士前期課程修了,大阪大学経済学部助手,大阪府立大学講師を経て,現在,大阪大学社会経済研究所教授.大阪大学博士(経済学).労働経済学専攻.
著書『労働経済学入門』(1998年,日経文庫),『スタディガイド「入門マクロ経済学」』(2001年,日本評論社),『日本の不平等』(2005年,日本経済新聞社),『経済学的思考のセンス』(2005年,中公新書),『格差と希望』(2008年,筑摩書房),『競争と公平感』(2010年,中公新書),『日本の幸福度』(2010年,日本評論社)など.

ISBN:9784121027245
出版社:中央公論新社
判型:新書
ページ数:256ページ
定価:840円(本体)
発行年月日:2022年11月
発売日:2022年11月21日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KCA