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小学館新書

ファスト・カレッジ

大学全入時代の需要と供給

著:高部 大問

紙版

内容紹介

現役職員が明かすざんねんな大学のリアル

大学は教育機関ではなかったのか? 大学全入時代といわれる昨今、「就職しか興味がない学生」と「教える意欲がない教員」の思惑が一致した結果、早く手軽に卒業資格を提供するだけのファスト・サービスと化してしまった──。入試は外注、授業は手抜き、気にするのは就職率だけ……。優秀な人材を輩出するどころか、「3年で会社を辞める新入社員」を生み落とす今の大学につける薬はないのか? 教員や学生たちに日常的に接する現役大学職員が明かす「ざんねんな大学」のリアル。

目次

第1章 教員と学生の果てなきミスマッチ

大学教員は「お坊ちゃん」ばかり/「学生のせい」にする/学生から「成績が絶対におかしい」/大学教員の言い訳は天下一品/マウント大好きな大学教員/「知識人」の言い換え術/「学生のため」という保身術/大学トップが「個人の見解」?/「自分ファースト」教員/雑務まみれの大学教員とアインシュタイン/「お客様」から「教え子」に/バレてしまった大学のイケてなさ/実務家教員「手抜き」のカラクリ/容赦ない『学生満足度調査』/日本の大学は「ちゃんと見てくれない」/上位大学もウカウカしていられない

第2章 ファスト化する大学

形骸化ではなくファスト化/ファスト・サービスに文句は言わない/レジャーランドの楽しみもなく/学園祭というバロメーター/ファスト大学の特徴は「考えないこと」/「就職活動が大変なのでゼミやめます」/大学教員は“無免許運転”/使えないコンサル集団/卒業式の裏側で/入試問題をアウトソーシング/教員が「優れた意思決定者」とは限らない/多くの大学教員は「ふつう」の人/実務家にとって「オイシイ」教員業/だから学歴ロンダリング/「ふつう」の進路選択/「ふつう」の肩書フェチ/「ふつう」の差別意識

第3章 ファストを望む学生たち

学生は学生で多くを求めず/生成AIがファスト化に拍車を掛ける?/松下幸之助と大学半減論/内定とれない東大生/就職率の数字トリック/モンスター・スチューデント/大学から「師弟関係」が消える?/「落ちこぼれ」と「浮きこぼれ」と「吹きこぼれ」/現在進行形の「3年3割問題」

第4章 期待されないファスト大学

ファスト・サービスとの根本的相違点/「余計な教育しなくていいんで」/大学が変われない構造的ジレンマ/大学は労働力の宝庫/大学は口実になる/大学の“金縛り”/恐るべしカネの威力/震え上がったのは日大よりも…/非力な私立大学/大学教員が言いなりになる2日間/プラセボ大学/覚えてもらえない幽霊教員/どうせほとんど来なくなる授業/誰でもよかった/有効成分なき卒業資格

第5章 ファスト・カレッジの活用術

学生と教員の息の合った社交ダンス/大学全てが実験室/追加料金不要の「学び」/学生は学内取締役/専門家を質問攻めに/シラバスに秘められた可能性/シラバスでウソはつけない/ここがヘンだよ大学選び/「シラバスなんて意味がないと思っています」/手抜きや不届きの予防機能/シラバス起点の大学改革/パーフェクトな大学は存在しない/海外エリート大学もファスト化/日本の大学の重大な欠陥

ISBN:9784098254729
出版社:小学館
判型:新書
ページ数:224ページ
定価:960円(本体)
発行年月日:2024年04月
発売日:2024年04月01日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JN